転職を決める前に生産性点検 NG企業に3つの共通点リクルートワークス研究所副所長 中尾隆一郎

 まず、ミーティングの目的・種別が明確で、アジェンダ(協議事項)が設定されており、かつ、アジェンダごとの時間配分が設定されているものだ。最も重要であるにもかかわらず見落とされがちなのは、ミーティングの目的・種別。これは議論(発散)、議論(収束)、決定(決議)、共有に大別できる。これから行おうとしているミーティングは、このうちどの目的・種別なのかを最初に設定する。ここを起点にミーティングの「設計」ができる。

会議の目的の分類、運営のポイント

 例えば、「議論(発散)」が目的のミーティングでは、できる限り自由な雰囲気にし、参加者が発言しやすくすることで、目的が実現しやすくなる。場合によっては、いつもと違う場所で実施するなども効果的だ。ところが、ミーティングの参加者の認識がそろっていないと、発言や会議の運営の方向性がかみ合わない。

 「議論(発散)」を目的としているアジェンダであっても、この目的が共有されていないと、参加者の中には収束させようとする人が出てくる。あるいは、決議を取ろうとする人が出てくるケースもある。これでは当然、ミーティングの目的である発散が十分にできず、生産性は低くなる。

 そのため、目的・種別に基づいて、ミーティングの参加者を選定する必要がある。「議論(発散)」の場合は、できる限り意見が異なる人に参加してもらうという判断になる。同じ部署の同じ経験の人たちだけでの発散では限界があるからだ。社内の別部署や、場合によっては社外の人を巻き込もうということにもなるだろう。

 もっと簡単なことでは、事前に会議のアジェンダ、時間配分を決め、資料を共有するだけでも、生産性は高まる。以前、私が担当していた部署では、アジェンダ、時間配分、資料の事前送付を促進したところ、従業員のミーティング時間が平均で10%削減できた。お尻が決まっていない中でだらだらと進んでしまうことが減り、出席者が事前に資料にざっと目をとおしておくだけでもミーティングの議論がスムーズに立ち上がる。

 もちろん、「とりあえず集まる」ミーティングが効果的なケースもある。目的を明確にせずに上司と部下が一対一でミーティングするのが重要なこともあるだろう。しかし、事前に設計されていないミーティングの大半は、生産性が低い。逆に言えば、社外とのミーティング、営業活動、社内ミーティングから生産性の高さがうかがえる企業は、組織全体の生産性が高く、市場における競争力も高い可能性が高い。

 アポイント、営業スタイル、会議……あなたの現在の職場、あるいは転職候補先はどうだろうか。生産性の視点で、ぜひ確認していただきたい。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は11月10日の予定です。連載は3人が交代で執筆します。

中尾隆一郎
リクルートワークス研究所副所長・主幹研究員。リクルートで営業部門、企画部門などの責任者を歴任、リクルートテクノロジーズ社長などを経て現職。著書に「転職できる営業マンには理由がある」(東洋経済新報社)、「リクルート流仕事ができる人の原理原則」(全日出版)など。
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