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iDeCoの税メリット受けるには 今からの手続きが肝心 iDeCoで投資デビュー(11) オフィス・リベルタス 大江加代

2017/11/1

10月末に届いた掛金払込証明書の例(画像は一部加工しています)

 11月に入り、今年も残すところ2カ月となりました。iDeCo(個人型の確定拠出年金)の加入者で掛け金を給与天引き以外にしている人、つまりご本人の口座からの引き落としにされている皆さんには、税金を還付してもらうために必要な書類がそろそろご自宅に届くころかと思います。iDeCoには税優遇のメリットが3種類もありますが、中でも最大のものは「掛け金の全額が課税所得から控除される」ことです(第3回「iDeCoでなぜ税金が減る? 『所得控除』を今こそ理解」を参照)。ですがこれは何もしなくても自動的に適用されるわけではありません。これから述べる手続きを取って初めて税メリットが得られるのです。以下の5つのポイントを順に確認しましょう。

(1)掛金払込証明書を受け取る

 課税所得から掛け金額を差し引いてもらう「所得控除」を受けるためには、「いくら納めたか」という証明書が必要です。その「掛金払込証明書」は10月末から11月にかけて皆さんのご自宅に届きます。

掛金払込証明書の中面(画像は一部加工しています)

 上の写真のようなごく普通の圧着はがき(フチが紫色です)で、中を開いても地味に「平成29年分小規模企業共済等掛金払込証明書 確定拠出年金(個人型年金)」と記されているだけなので、ダイレクトメールと間違えて捨ててしまわないように注意しましょう。中面には表があり、月ごとの掛け金額が12月の引き落とし予定分まで記載されており、合計額も明記されています。間違いがないか確認し、不明点があれば「お問い合わせ先」として書いてある金融機関か国民年金基金連合会に連絡してください。

(2)サラリーマンなら年末調整で申告

 税の還付のための手続きは、サラリーマンであれば会社の年末調整で済ませてしまうのが手軽だと思います。会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」(生命保険料や地震保険料を控除してもらうために記入する書類です)の右の一番下にある「小規模企業共済等掛金控除」の中段「個人型又は企業型年金加入者掛金」の欄に、(1)の掛金払込証明書の合計額を記入し、証明書を添付して提出すれば、手続きは完了です。

 サラリーマンの場合、後は還付された税額が年末調整として振り込まれるのを待つだけです。ただしここで還付されるのは所得税に関する部分のみ。住民税については来年から課税所得が減った分、税負担が減るという流れになります。

 ちなみにiDeCoの掛け金を銀行引き落としではなく給与天引きにしている方は、会社側ですでに掛け金額を考慮し、所得税などの負担軽減がなされていますので、個人での手続きは不要です。

(3)自営業者なら確定申告で税を還付

 自営業者やフリーランスの方、年末調整で掛金払込証明書を提出するのを忘れてしまった方などは、確定申告での手続きが必要です。「小規模企業共済等掛金控除」として証明書の金額を申告してください。課税所得からiDeCoの掛け金額が控除され、その他の申告事項を合わせて還付額などが決定されます。

(4)初回引き落としが10月以降だった人は?

 iDeCoへの加入が遅れ、初回の掛け金引き落としが10月以降だった場合は、掛金払込証明書の発行が10月なので間に合いません。翌年1月に発行されることになりますので、この場合はサラリーマンであっても確定申告で自ら手続きすることになります。

(5)「払込証明書」をなくしてしまったら?

 もし掛金払込証明書を紛失してしまっても、「再発行依頼書」を契約先金融機関に提出すれば再発行してもらえます。この依頼書の書式は契約金融機関のコールセンターに連絡して郵送してもらうか、加入者サイトからダウンロードして入手してください。しかし再発行されるまでには1カ月以上かかると聞いていますので、場合によっては申告手続きに支障が出る可能性もあります。くれぐれもご自宅に届く払込証明書はなくさないよう、申告手続きまで大切に保管してください。

 もう一つ、このような書類は登録住所に届きますので、転居された場合には登録住所変更の手続きも忘れずに行いましょう。こちらも書面での手続きなので、コールセンターに連絡、または加入者サイトから必要書類をダウンロードして提出する必要があります。

◇  ◇  ◇

 最後に、振り込まれた還付金はどうすべきでしょうか。iDeCoの場合、生命保険や個人年金保険と違って全額が所得控除されるので、毎月の積立額によっては結構な金額が戻ってきます。これから忘年会シーズンですから、同僚と楽しく飲むといった「コト消費」も使い道の一つだと思います。ただ、せっかくの還付金ですから、無計画に使っていつの間にか消えてしまったということにならないようにしたいものです。

 有意義に使うためには、銀行口座に入る前に「これに使おう」という使途を今から計画してみてはいかがでしょうか。楽しいことは計画するときからワクワクした気持ちになりますし、税金が戻ってくるという幸せをさらに増幅させる効果があると思います。これもiDeCoの大きな効用の一つですね。もちろん、来年のiDeCoの掛け金に回す、別口で投資するなどの堅実な使い方も大いにありだと思います。

大江加代
 大手証券会社で22年間勤務し、一貫して勤労者の資産形成に携わる。確定拠出年金については法の成立前から10年以上企業型の現場で関わり、のべ25万人に対する投資教育の企画・運営にも携わった。現在はオフィス・リベルタス取締役で、NPO確定拠出年金教育協会理事として情報サイト「iDeCoナビ」も創設。http://www.dcnenkin.jp/

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