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独自スマホ増やすドコモ iPhone頼みから脱却なるか

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

NTTドコモは2017年10月、新しいスマートフォン(スマホ)やタブレットを13機種も発表した。2つのディスプレーを備えた「M」など、半数以上をNTTドコモのオリジナルモデルが占める独自性の強いラインアップとなった。iPhoneを筆頭に最近は大手キャリアが販売するスマホの「同質化」が進んでいたが、今回のドコモのラインアップは、これに反旗を翻した格好だ。

2画面折り畳みの「M」に注目が集まる

冬のボーナス商戦や、携帯電話業界最大の商戦期である春商戦など、大きな商戦期を控えたこの時期だが、au(KDDI)やソフトバンクの新製品は2~3機種。それに比べるといかにNTTドコモが多くの機種数を用意したかがわかる。

そして、今回のラインアップで特徴的なのは、NTTドコモ独自のモデルが非常に多いことだ。auとソフトバンクが発表した新機種は、いずれもメーカーが既に発表しているモデルのみであり、独自モデルは見られない。だがNTTドコモは、スマホ11機種のうち5機種が、メーカーから発表されていない、NTTドコモのオリジナルのモデルとなっていたのだ。

それらオリジナルモデルの中で、最も注目を集めたのは「M Z-01K」である。Mは、5.2インチのディスプレーを2つ搭載し、折り畳むと通常のスマホと同じ1画面、開くと2画面での利用が可能になる、非常に独自性が強いスマホ。NTTドコモが企画し、中国のスマホメーカー、ZTEが製造を担当した。

Mは、NTTドコモだけでなく米国のAT&Tや英国のボーダフォンなど、海外のキャリアからも販売されることが決まっている。販売台数に応じてNTTドコモにもロイヤルティーが入るという。世界マーケットでどのように受け取られるのか注目だ。

オリジナルが大半のdocomo with対象機種

目立つという意味では「M」が圧倒的だが、それ以外のオリジナルモデルもNTTドコモにとっては重要な意味を持っている。

特に重要なのは、端末を値引かない代わりに、毎月の通信料を1500円引き下げる料金プラン「docomo with」の対象となるスマホだ。今回の発表ではdocomo with対応モデルとして新たに3機種が追加されているのだが、そのうちシャープ製の「AQUOS sense SH-01K」を除く2機種がNTTドコモのオリジナルモデルとなっている。docomo withは2017年6月に開始してから既に70万契約を獲得。NTTドコモがいま最も力を入れている料金プランなだけに、オリジナルモデルがNTTドコモの戦略と密接にリンクしていることが見えてくる。

docomo withは同じ端末を使い続けるほど得になることから、端末を長く使う傾向が強いシニア層を大きなターゲットにしている。今回「らくらくスマホ me F-03K」をdocomo with用に投入したのも、シニア層を狙ったものだ。従来のらくらくスマホから、赤外線通信や防犯ブザー、ディスプレーを押し込んでタッチ操作する機能など一部の機能を外して価格を下げた。

2016年に648円で端末を購入できることが話題となった「MONO MO-01J」の後継機種「MONO MO-01K」(ZTE製)も、新たにdocomo with対応として発表された。ディスプレーサイズをより大型の5インチにしたり、メモリーやストレージの容量を増やしたりするなど、基本性能が強化されている。

「MONO MO-01J」は、2年以上の継続利用を前提にした「端末購入サポート」を使って3万1752円割り引くことによって実質648円になったが、今回のMO-01Kは同サポートの適用外。端末の購入価格は2万5272円に上がるが、docomo withで通信料が1500円(税込みでは1620円)下がるため、2年以上使ったときのトータルコストは、こちらの方が安くなる。

キャリアの存在感を再び高められるか

かつて国内のキャリアは、自社で企画した端末をメーカーに製造してもらうというキャリア主導の端末開発により、豊富な端末バリエーションをそろえていた。だがiPhoneが日本で圧倒的なシェアを獲得し、スマホ開発の主導権を端末メーカーが握るようになって以降、キャリアは端末の数をそろえるよりも、売れ筋のモデルだけを取り揃えた方がビジネス上効率がよいと判断。端末メーカーが開発した人気モデルをそのまま調達する傾向が強まり、自社で企画・開発するものはシニア向けや子供向けなど、一部モデルに限定するようになってしまった。ドコモ自身「ツートップ戦略」として、限定した機種を「一押し機種」として推進する体制を取っていた。

その結果、急速に進んだのがスマホの「同質化」である。端末メーカーは端末の販売数を重視することから、「ディスプレーサイズが大きく、本体が薄く、カメラの性能が高い」などユーザーに人気の要素を重視した売れ筋のスマホ開発を重視する一方、リスクが大きい新しいチャレンジには消極的だ。それゆえ現在はどのメーカーからも、細かな違いはあれど似たようなスマホばかりが登場する状況となってしまっている。

そしてスマホの同質化は、それを調達して販売するキャリアの同質化をもたらし、キャリアは通信路を提供するだけの「土管」と化してしまった。価格以外の差がなくなり、不毛なキャッシュバック合戦を生み出し、その後の格安スマホへの顧客流出にもつながった。

そうした反省から、NTTドコモは他社との差を打ち出すためには、docomo withなどの料金プランだけでなく、端末でも差異化を打ち出す必要があると判断。キャリアがリスクを取ってでも、オリジナルモデルを増やすに至った。

これらのオリジナルモデルが大きな人気を獲得するようになれば、スマホ開発におけるキャリアの重要性が高まり、再びキャリアが端末開発を主導するきっかけになるかもしれない。そうなれば、ここ最近変化に乏しかったスマホのバリエーションが、大きく拡大する可能性も高まってくる。今後のスマホの進化を考える上でも、NTTドコモのオリジナルモデルがどこまで販売を伸ばすかは、重要な意味を持っている。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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