よくわかる

腕時計の世界輸出、中国が席巻 日本もスイスも後塵 よくわかる 腕時計ビジネス(1)

2017/11/27

PIXTA

 腕時計産業が成長の岐路に立たされている。世界景気の減速などを受け、日本の総出荷は2016年、スイスの輸出は15年にそれぞれ減少に転じ、苦戦気味だ。中国メーカーの台頭も著しい。米アップルなどの腕時計型端末(スマートウオッチ)の存在感もじわりと高まる。市場を取り巻く環境と時計大手の戦略を読み解く。

 第2回「機械式高級腕時計に注力 スイス勢、ブランド戦略競う」もあわせてお読みください。

■機械式とクオーツ式

 太古の日時計から始まり、教会に置かれた時計塔、懐中時計などを経て、20世紀に入ると手首に時計を巻く小型の腕時計が本格的に普及した。現在、腕時計は大きく2種類にわかれる。機械式とクオーツ式だ。

 機械式はぜんまいを動力源とする腕時計で、主にスイスメーカーが得意とする。ロレックスやオメガ、オーデマ・ピゲ、ピアジェなどが代表企業だ。個性的なデザインに加え、重力で少しずつ生じる誤差を自動補正する「トゥールビヨン機構」を搭載した複雑時計にも力を入れる。

 水晶振動子を使ったクオーツ式を引っ張るのは日本勢だ。日本では1913年にセイコーホールディングスが国産初の腕時計「ローレル」を開発。60年代後半には世界初のクオーツ時計を発売し、クオーツ式の腕時計で成長した。正確に時を刻み、低価格で大量生産できる点が特徴。70年代後半には日本勢の時計生産量が世界一となった。

Latest