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退職者向けの専用定期 金利高めだが地元在住が条件 投信とのセット商品は要注意

2017/10/31

 近く定年退職しますが、退職金にはしばらく手を付けないつもりです。退職者向けに高めの金利を設定した定期預金があると聞いて、関心を持っています。

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 退職者向けに通常の定期預金に比べて高い金利を設定しているのが「退職金専用定期預金」だ。多くの金融機関が取り扱っていたが、超低金利が続く中、昨年2月にみずほ銀行が、今年9月末にはふくおかフィナンシャルグループ傘下の3行(福岡、熊本、親和銀行)が取り扱いを停止した。ただ、一部の地方銀行は継続している。

 利用にはいくつか条件がある。まず、その銀行の営業区域内に在住もしくは勤務先があることだ。取扱店舗を地元の本支店に限定する銀行が多く、トマト銀行は東京、大阪、神戸などの支店は対象外。横浜銀行も「神奈川県外の居住者は取り扱いできない場合がある」という。

 退職金を受け取ってから預け入れまでを1年以内とする銀行が多いが、三重銀行7カ月以内、みなと銀行3カ月以内など短い銀行もある。このほか、年金受取口座の開設などを条件とする銀行もある。

 預入金額の上限は退職金の範囲で、預入期間は3カ月という銀行が多い。定期預金の金利に上乗せするタイプか、専用の特別金利を設ける銀行に分かれる。

 北越銀行はスーパー定期預金3カ月物の店頭表示金利に年2.0%上乗せする。山口銀行は年2.0%の特別金利とする。第四銀行は同行に年金受取口座を作れば年0.3%上乗せになり、トータルで年1.31%(23日現在)だ。いずれも預入期間は3カ月なので、実際に得られる金利は年利の4分の1になる。

 利用の際は退職金であることを示すために、会社から受け取った「退職所得の源泉徴収票」、退職金が入金された通帳などを用意しよう。滋賀銀行は同行の口座で退職金を受け取っていることが条件になる。

 注意が必要なのは、多くの銀行には「退職金専用プラン」といった名称で、定期預金の預け入れと投資信託の購入を組み合わせるセット商品があることだ。セット商品の定期預金は金利を年5~7%などとさらに高く設定しているため、一見、有利に見える。

 しかし、銀行で投信を購入すると一般的には1~3%程度の販売手数料がかかる。定期預金で3カ月間だけ高金利が適用されても、投信の販売手数料がかかり、利息分が飛んでしまうことにもなりかねない。

 銀行が退職金専用定期を用意するのは、いずれ投資信託や生命保険などを購入してもらいたいためだが、投信のコストはネット証券の方が圧倒的に安い。まずは退職金専用定期で高めの金利を享受しつつ、今後の資産運用の方針をじっくり考えるのが得策だ。

[日本経済新聞朝刊2017年10月28日付]

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