グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食を旅する

松阪のホルモン焼き 地元の特権、庶民派プレミアム牛

2017/10/31

 三重県松阪市の名物料理をご存じだろうか? ホルモン焼きだ。

 焼き網の上で膨らむ白モツ。脂が熱で溶けてしたたり落ちると、それがロースターの火に重なり、大きな炎と煙が上がる。テーブルの向こうが見えなくなるほどの煙と炎は、決してスマートとは言いがたいが、そのうまさを知っている人なら、服や髪に臭いがつくのもいとわず、焼き網を囲んで身を乗り出す気持ちを分かってくれることだろう。

 松阪牛は、日本三大和牛の一つで、高級ブランド肉として広く知られ、味はもちろん値段もプレミアムだ。松阪牛の地元とてそれは同じで、もちろん「地元価格」ではあるものの、そもそもが高級肉。やはり気軽に食べられるような値段ではない。

松阪牛ホルモン込み 白モツのほかレバーなどを盛り合わせてある

 松阪牛の地元で愛されているホルモンは、正肉以上に鮮度が重要視される内臓肉だ。食肉の生産地だけに、鮮度は抜群。おいしくないわけがない。

 松阪の老舗焼き肉店「一升びん」の平生町店を訪れた。「一升びん」は、松阪牛を手ごろな価格で食べられることで市外にも名を知られた人気店だ。

 ホルモンというと、東京では白モツやレバー、ハツなど様々な部位を意味し、メニューの中から白モツ(シロ)、レバー、タンなど部位を指定して注文したり、一緒盛りのミックスで注文したりすることが多い。しかし、松阪では「ホルモン」というと基本的に白モツのことを指す。メニューを見るとそれが分かる。

松阪牛ホルモンのみ 松阪ではホルモン=白モツだ

 「松阪牛ホルモンのみ」は白モツのみが一皿に盛られてくる。一方「松阪牛ホルモン込み」は白モツの他、レバーなどの部位が一緒盛りになった、いわゆるミックスが出てくる。松阪の人たちがいかに白モツを愛しているかが分かるだろう。

 一方で「のみ」か「込み」か以上に注目してほしいことがある。メニュー名の頭に付いた「松阪牛」の3文字だ。

 東京の焼肉店で、松阪牛をはじめ神戸牛など銘柄牛のカルビは食べたことがあるだろう。一方で、銘柄を指定してホルモンを食べたことがある人は果たしてどれくらいいるだろうか。様々な銘柄牛が流通する都市では、消費者の手に届くまでの間に、その日に出た様々な牛のホルモンが一緒になってしまうという。

グルメクラブ新着記事

ALL CHANNEL