お肉の基本、クイズでチェック
毎日食べているお肉。身近な食材なのに、知っているようで実はあやふやな知識も多いのでは。家畜から料理まで、お肉クイズで確かめてみよう。
(1)98% (2)68% (3)38% (4)8%
【答え】「黒毛」は和牛の (1)98%
貴重と思いきや、実は最も身近
<正答率5.3%> 和牛は日本固有の品種で(1)黒毛和種(2)褐毛(あかげ)和種(3)日本短角種(4)無角和種の4種類があり、現在は黒毛が約98%を占める。霜降り肉が有名な神戸牛や松阪牛などのブランド牛は、黒毛和種の代表格だ。
間違いで多かったのが「8%」と「38%」でともに4割程度。多くの人が黒毛和牛を貴重な肉と考えていることがわかるが、実際には最も身近な和牛だ。和牛といえば、真っ黒な毛に覆われた黒毛のことを指すといってもいい。
(1)75%以上 (2)55% (3)35% (4)15%未満
【答え】国産豚の (1)75%以上が三元豚
外国産では四元豚も
<正答率7.3%>高級な印象が強い「三元豚」だが、国産豚肉の大半は三元豚だ。3種類を掛け合わせた豚で、「普通豚」とも呼ばれる。繁殖性に優れたランドレース種と大ヨークシャー種を掛け合わせた交配豚に、肉質の優れたデュロック種を掛け合わせたものが主流だ。
回答は「15%未満」がほぼ半数を占めた。問1と同様に、貴重な肉との認識が広がっているようだ。外国産では4種類を掛け合わせた四元豚もあり、スーパーなどで出回っている。
(1)44% (2)54% (3)64% (4)74%
【答え】1頭の豚の >(1)44%が精肉に
枝肉→部分肉→精肉へ
<正答率15.0%> 「生体」から頭や内臓、皮などを除去したものを「枝肉」と呼び、さらに骨や脂肪を取り除いて「部分肉」となり、カットして「精肉」となって店頭に並ぶ。この精肉になる割合を「歩留まり」と言う。生体を100とすると、豚肉の歩留まりは約44%。牛肉の場合はさらに低く、36%程度まで減る。
54%、64%と答えた人がともに3割いて、74%との回答も2割強あった。精肉は意外に少ないのだ。もちろん、内臓はホルモンとして人気だし、皮は靴、毛は筆にも使われる。
(1)新潟市 (2)和歌山市 (3)名古屋市 (4)宮崎市
【答え】牛肉を最も食べるのは (2)和歌山市
西高東低くっきり
<正答率18.5%> 牛肉の消費量は西日本が多く東日本が少ない「西高東低」の傾向が鮮明。最新の調査では、2位京都市、3位奈良市と続き、20位の長崎市まですべて西日本だ。和牛産地で有名な宮崎市と間違えた人が半数を占めた。新潟市は牛肉消費は最下位で、豚肉の消費が多い。豚肉は東高西低だ。
(1)語源はフランス語の「フィレ」
(2)最も運動しない筋肉
(3)1頭から30%しかとれない
(4)「テンダーロイン」ともいう
【答え】牛ヒレ肉は >(3)1頭から30%しかとれないは誤り
たった3%しかない貴重で高価な部位
<正答率21.0%> 牛のヒレ肉は1頭からわずか3%しか取れない貴重で高価な部位。30%も取れたらもっと安く手に入る。最も運動しない筋肉なので柔らかく、ステーキに向く。語源はフランス語の「フィレ」、英語では「テンダーロイン」、関西では「ヘレ」ともいう。豚肉のヒレは2%しか取れない。
(1)きめの細かさ (2)おいしさ (3)霜降り状態 (4)精肉にできる割合
【答え(2)おいしさは格付けと無関係
歩留まりの多さ示す
<正答率22.1%> 精肉店や飲食店でよく見る「A5」などの格付けは、実はおいしさとは必ずしも関係ない。A~Bは精肉にできる割合(歩留まり)が多い順。5~1は脂の霜降り具合やきめ細かさを見た目で判断する。最高のA5はすき焼きやしゃぶしゃぶなど、野菜と一緒に食べる鍋物に向いている。
(1)牛肉 (2)豚肉 (3)鶏肉 (4)どれでもない
【答え】脂肪燃やす成分は(1)牛肉に多い
<正答率22.6%> 脂肪の燃焼を促進するカルニチンという成分が牛肉の赤身には多い。牛赤身肉はダイエットに効果的といわれる。運動機能の向上効果もあるとされ、基礎代謝を維持しやすい。羊肉はカルニチンがさらに多い。部位にもよるが、豚肉は牛肉の半分程度、鶏肉は豚肉の半分程度だ。
(1)豪州産和牛 (2)米国産黒豚 (3)両方とも正しい (4)両方とも間違い
【答え】正しい表示は (2)米国産黒豚
<正答率23.1%> 和牛は国産でないと「和牛」と表示できないが、黒豚は国産、外国産を問わず表示できる。黒豚とは肉質、脂肪質ともに優れたバークシャー純粋種のみをいう。「米国産黒豚ロース」「カナダ産黒豚バラ」などと表示できる。黒豚は、日本では鹿児島地方で多く飼育されている。
(1)森鴎外 (2)福沢諭吉 (3)北里柴三郎 (4)伊藤博文
【答え】牛肉をススメたのは (2)福沢諭吉
<正答率24.5%> 日本の牛肉食は、文明開化とともに始まる。明治5年に明治天皇が初めて牛肉を食べたとされ、東京ではすき焼きのルーツである「牛鍋」が流行した。その牛肉を推奨したのが福沢諭吉。福沢は幕末の頃から「牛肉は滋養によい。誰でも食べるようになる」と「牛肉のススメ」に貢献した。
(1)6カ月 (2)12カ月 (3)18カ月 (4)24カ月
【答え】豚が出荷されるのは生後 (1)6カ月
<正答率28.4%> 豚は生後6カ月で出荷される。人間なら赤ん坊だが、豚は半年で110~115キログラムに成長する。期間が短いほど餌代などを減らせる。和牛は出荷するまで豚の5倍の約30カ月(2年半)。豚肉が牛肉に比べ安い理由がわかる。
(1)2倍 (2)5倍 (3)10倍 (4)25倍以上
【答え】(4)25倍以上 <正答率29.6%>
牛タン(舌)の大半は米国やオーストラリアからの輸入。国産は少ない。
【答え】(2)3キログラム <正答率31.3%>
肉豚を1キログラム増やすのに必要な飼料は3キログラム。和牛は8~10キログラム必要。
(1)ベーコン (2)ハム (3)ソーセージ (4)どれでもない
【答え】(4)どれでもない <正答率33.5%>
ベーコンもハムもソーセージも、焼かずにそのまま食べられる。
(1)2週間 (2)7週間 (3)14週間 (4)21週間
【答え】(2)7週間 <正答率34.8%> ブロイラーは約7週間で3~3.5キログラムになり出荷される。地鶏は80日以上飼育する。
(1)牛ヒレ (2)豚ヒレ (3)鶏ムネ (4)馬刺し
【答え】(3)鶏ムネ <正答率35.4%>
鶏ムネ肉には疲労回復効果があるとされるイミダペプチドが多く含まれる。
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国産牛の中に和牛や乳牛の区分
日本で販売する牛肉は、国産牛と輸入牛に分けられる。国産牛はさらに(1)和牛(2)乳牛(ホルスタイン)(3)交雑牛(和牛とホルスタインなどの掛け合わせ)に分かれる。つまり、国産牛は国内で生産されたものすべてを指し、和牛は種類を指す。
和牛は日本にもともといた農耕用の牛を欧米の肉牛と交配して改良した品種で、設問1の通り、4種類ある和牛の98%が黒毛和種だ。流通している牛肉全体の半分弱が和牛で約3割が乳牛、2割強が交雑牛。意外と知られていないが、国産牛と表示している肉の多くはホルスタインだ。和牛を国産牛とは表示しないからだ。
外国のアンガス種などでも、素(もと)牛として輸入して日本国内で最も長く飼育されれば国産牛と呼ぶ。品種に関係なく、飼育した期間が最も長い場所を原産地として表示できる。和牛がオーストラリアに渡り「豪州産WAGYU」として輸入されることもあるが、あくまで「豪州産牛」として輸入牛の扱いとなり、「和牛」ではない。
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ランキングの見方 正答率の低い順にランキングした。
調査の方法 全国食肉学校(群馬県玉村町)の協力で、食肉に関する間違えやすい設問を30問作成。10月上旬、ネット調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)を通じ、全国の20~60代の男女1000人(各世代とも男女同数)に解いてもらった。
[NIKKEIプラス1 2017年10月28日付]
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