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何歳まで生きれば元取れる? 長寿女性にトンチン年金

2017/11/2

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人生100年時代といわれています。特に平均寿命の長い女性にとって、老後資金の準備は重要なテーマ。そこで押さえておきたいのが最近話題の「トンチン年金保険」です。有用な選択肢になるのか、ファイナンシャルプランナー(FP)の竹下さくらさんに聞きました。

■女性の4人に1人が95歳まで生きる

日本女性の平均余命は87.14歳。2人に1人は90歳まで、4人に1人は95歳まで生きる時代になっています(注1)。100歳以上の高齢者の男女比を見るとほぼ9割が女性(注2)。やはり女性は長寿です。

(注1)厚生労働省「簡易生命表」(2016年)より。(注2)厚生労働省「男女別百歳以上高齢者数の年次推移」(17年9月)より。

そうなると気になるのは老後資金の準備。FPの竹下さくらさんは「老後資金のご相談を受けていると、70代後半以降のフロー収入の落ち込みが気になります」と指摘します。フロー収入というのはお給料のように定期的に入ってくるお金のこと。「老後のフロー収入のベースは公的年金となりますが、上乗せとして企業年金がもらえたり、ご自身で加入した個人年金保険(10年確定など)の年金がもらえたりしている間は、家計がうまく回ります。ところが、それらは70代半ばになるとほぼ終了。するとストンと収入が減り、瞬く間に赤字家計に転落してしまうのです」(竹下さん)

だったら老後資金としてためてきた資産を取り崩せばよいのでは、と思うかもしれません。「それが難しい。高齢になると資産の取り崩しには『いつ底をつくか分からない』という恐怖が伴います」。フロー収入というのは「また入ってくるから」という理由で心理的に使いやすいのですが、ストックの切り崩しは減る一方なのでためらうもの。金融商品の解約手続きをする手間も、高齢者には大きな負担になる場合があります。「認知症になると株式などの売却も難しくなってしまい、老後資金はあっても使いづらいという事態が起こりかねないのです」

■長生きするほど得をするトンチン年金保険

こうした不都合を解決する手段になりそうなのが、一部の生命保険会社が取り扱いを始めたトンチン年金保険(以下、トンチン年金)です。先に死亡したり解約したりした人への支払いを抑え、その分、生きている人への年金額を厚くした年金保険のことで、長生きするほど年金の受取総額が増えて得になります。仕組みの考案者である17世紀のイタリア人銀行家、ロレンツォ・トンティ氏にちなんで「トンチン年金」と名付けられています。「長生きするほど得をするという意味では公的年金もトンチン年金だと言えます」

生保会社が取り扱うトンチン年金には、一生涯年金が受け取れる終身年金があり、公的年金の上乗せとして活用すれば、亡くなるまで毎年いくらの年金がフローとして入ってくるか予算が確定できます。「これがトンチン年金の安心感。その範囲内でやりくりすればよいので、心穏やかに暮らせると思います」。現状、他には民間の商品で終身年金を確保する手段はほぼないので要注目です。「認知症になっても、手続きなどが不要で定期的に入ってくるところも利点です」

■現在、取り扱う生保は4社

具体的にはどんな商品があるのでしょう。日本初のトンチン年金は2016年4月に発売された日本生命保険の「Gran Age(グランエイジ)」です。続いて17年3月に第一生命保険の「とんちん年金『ながいき物語』」、そしてこの10月にかんぽ生命保険の「長寿のしあわせ」、太陽生命保険の「100歳時代年金」が発売され、商品がそろってきました。太陽生命の場合は介護年金保険とのセット商品となっていますが、希望すればトンチン年金単体でも加入できます。

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