――医師の治療にも費用対効果という考え方が応用できるそうですね。
「日本では医師の報酬が出来高払い制となっていて、治療や投薬を重ねるほどもうかる仕組みになっている。対して英国は従来の人頭払いと出来高払いに加え、2004年から医師の報酬の一部を成果払いとする制度を導入した。これは地域に責任を持つ医師に対して、その地域の住民の健康状態をどれだけ高めたのかを客観的な指標で評価した上で報酬を払う仕組みだ。日本でも、過剰診療になりがちな報酬体系を見直し、費用対効果に優れた標準的な診療へ医師を導く制度が必要だろう」
(高橋元気)