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一瞬逃さず鋭い投げ 五輪へ、柔道界の新星「一二三」 開幕まで1000日「研究されても勝ち続け、学んでいきたい」

2017/10/28 日本経済新聞 朝刊

日本オリンピック委員会(JOC)が掲げた東京五輪の目標は「金メダル数世界3位」。15年10月のスポーツ庁創設と同時に就任し、選手強化策を指揮する立場でもある鈴木大地長官(50)は「東京では多様な競技でメダルを」と期待する。開幕まで3年を切り、今後は競技団体への予算配分も戦略的に進める方針だ。(聞き手は鱸正人)

■「御四家」以外からもメダルを

開幕まであと1000日。「守りに入らず、また違う自分をつくるんだという姿勢で過ごしてほしい」と話す

17年の世界選手権では、多くの競技が期待に応えてメダルを獲得してくれました。五輪翌年は休養に充てるトップ選手も少なくないから額面通りに受け止めてはいないけど、各競技で有望な若手が出てきた。「第2の五輪」と呼ばれる国際総合大会「ワールドゲームズ」も視察しましたが、東京五輪で初めて採用されるスポーツクライミングや空手も成果を上げました。

日本がこれまでの夏季五輪で獲得したメダル総数のうち、約75%は柔道、レスリング、体操、水泳です。私はこの4競技を「御四家」と呼んでいるのですが、東京大会で金メダルを量産しようと思ったら幅広い競技の活躍が不可欠です。

だから、今年の世界選手権では卓球やバドミントン、フェンシングといった競技でも価値あるメダルを取ってくれて、3年後に期待が膨らみました。将来のオリンピアンを目指す若者の選択肢を広げるという意味でも、様々な競技で日本選手に活躍してほしい。スポーツ庁が始めているタレント発掘や競技転向のプログラムも、こうした考えによるものです。

ちょうど1年前、「鈴木プラン」と題して選手強化の方針と支援策を発表しました。その中で17、18年度を「活躍基盤確立期」、19、20年度を東京大会に向けた「ラストスパート期」と位置づけています。

東京大会の開催決定以降、競技団体に対する強化費は増えています。スポーツ庁としては「頑張れば道は開ける」という姿勢を示したつもりなので、20年に向けて少しずつ成果を出していってほしい。「信賞必罰」ではないですが、19年度以降は国際大会などで成果を出している競技をより手厚く支援する形になっていくと思います。

1000日という時間は、長くも短くもありますね。オリンピアンの先輩として助言させてもらうなら、世界のトップに立った選手たち、特に若い人には「今から守りに入らず、ここからまた違う自分をつくるんだという姿勢を持って過ごしてください」ということでしょうか。負けることもあるでしょう。曲折を乗り越え、3年後をピークにする意識が大切です。

もちろん、今は全くスポットライトが当たっていない選手でもまだ十分時間があります。多くの競技で世界選手権が毎年あり、短期間で一気に台頭してくる選手もいるでしょう。むしろ、そういった選手による突き上げがないと、日本全体が強くならない。勝負はここからです。

スポーツ庁・鈴木大地長官のインタビューはこちらもご覧ください。(見て楽しいスポーツ施設に 『余分な規制なくしたい』

[日本経済新聞朝刊2017年10月27日付]

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