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若者は1万円をどう使う? 著名人の「時間買い」も 記者が見つけた今どきの使い方

2017/10/27

日経ヴェリタス

 「1万円札の価値が、どう変わってきたのか調べてくれないか?」

 デスクから、こんな質問を受けたのは今年夏のこと。突拍子もない質問に戸惑いながらも、あれこれ調べてみたら日本銀行のサイトにヒントがあった。それは消費者物価指数や企業物価指数をモノサシにして1万円の価値を測るというものだ。例えば52年前、昭和40年(1965年)の1万円の価値を消費者物価指数を使って今の価値に計算し直すと、約4万1000円になる。

 では20年前はどうか。消費者物価指数から計算すると1万200円ほどで、今とほとんど変わらない。だが国税庁の民間給与実態調査をみると、会社員の平均給与はこの20年間で460万円(1996年)から421万円(2016年)に約1割も減っている。物価をもとにした価値はあまり変わらないが、平均給与が減った分だけ1万円札の重みは増した、とも言えそうだ。

 その1万円を自由に使えるとしたら、人は何を買うのだろうか。街頭で使い道をたずねると、ちょっと豪華な食事など「プチぜいたく」に使うと話す人がいる一方で、「1万円ではもの足りない」との声もあった。自分だったらどうするか。1万円でもっと面白く、もっと有意義な経験ができないか、探してみた。

■「あの人」の時間を小口買い

 真っ先にひかれたのが、有名人の時間を買えるネット上のサービスだ。

 「タイムバンク」では、著名人や専門家の時間を10秒単位で買い会話を楽しめる。時間が欲しい人が多くなると価格は上がるし、逆に人気が集中していない人は料金も手ごろだ。10月下旬時点で、人気ブロガーのはあちゅう氏や、五輪に出場した元陸上選手の為末大氏などが登録している。

著名人や専門家の時間を10秒単位で買って話せる「タイムバンク」

 サイトには1秒あたりの料金が表示されている。最高値はLINE上級執行役員の田端信太郎氏で、なんと1秒あたり約220円。単純計算すると45秒で1万円がなくなってしまう。田端氏はリクルートやライブドアを経てLINEに転職。豊富な経験を生かし、SNS上で積極的に意見を発信。実際に時間を購入する際は30分からとなる。

 私が気になったのは、プロバスケットボール選手の岡田優介氏。公認会計士であり、3人制プロバスケットボールチームの経営者でもある。大学時代に体育会でバスケに打ち込んだ経験があるので、プロ選手はあこがれの存在だ。ビジネス感覚にも優れた岡田氏がどんなことを考えているのか、とても関心がある。

 岡田氏の時間単価は1秒50円弱(10月下旬時点)で、会話はビデオチャット限定だ。1万円だと3分余りとなる計算だが、最低購入時間は20分からと決められている。20分話すと料金は6万円弱。さすがに予算オーバーだ。

 10月25日に取引が始まったチョコレートの専門家、「チョコレート君」氏は1秒あたり8.6円で初日の取引を終えた。20分のビデオチャットなら、1万円余りで利用できる計算だ。チョコレートに関する商品企画などの相談に乗ってもらえる。ただ25日に一時1秒12円まで上昇する局面もあった。料金は刻々と変わる場合もあるので注意が必要だ。

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