ジャケット人気を牽引 伊の2大ブランドを徹底比較
「タリアトーレ」と「ラルディーニ」の大研究
仕立ての良さとトレンドへの感度で知られる「イタリア系ジャケット」。その人気をけん引している2大ブランドが「タリアトーレ」と「ラルディーニ」だ。両者はともに一目でわかるアイコンを持っている。個性的な生地にこだわるタリアトーレはメタルのシルクハット。一方、仕立ての技術と遊びのあるデザインが特徴のラルディーニは花がトレードマークだ。製品の細部まで行き届いた工夫と洒落心が、それぞれの個性となってファンを魅了し続けている。
Tagliatore (タリアトーレ)
「カリスマの独創性がジャケットの可能性を広げる」
羽織れば誰でも美シルエットに色気が漂う
体に吸い付くような美デザインの6ボタン、2パッチポケットの定番「モンテカルロ」。ボタンを留めるとウエスト位置がやや高めに設定されていることが分かる。これが美しいシルエットの秘訣。太ラペルの表情も貫禄が漂う。
8万6000円(トレメッツォ) ニット3万3000円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー)
■ひと目で分かるタリアトーレ
メタルのアイコンで艶ジャケットブランドの地位を不動のものに!
1998年に南伊のプーリアで創業。こちらも近年お馴染みとなるアイコンとして、ラルディーニ同様に浸透してきたラペルピン。デザイナーであるピーノ・レラリオ氏らしいユーモア溢れるアイコンだ。メタルのシルクハットが目を引く。
自ら生地を企画するほどの表現力へのこだわり
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今季はジャケットならではの個性派生地が充実
バーニーズ ニューヨークでは艶気のある色柄ヘリンボーン推し!
「ざっくりとした太いヘリンボーン柄が色気を主張します。定番紺に旬のブラウンという配色のバランスもタリアトーレならでは」(メンズPR 新井慶太さん)。
9万2000円(バーニーズ ニューヨーク)
ビームスでは起毛感のあるファンシーチェックが豊富
「高いクオリティの仕立てや縫製を背景に、オリジナリティ溢れる生地使いでテーラードの新たな可能性を生み出したといえます」(プレス、小林順平さん)。
9万5000円(ビームス ハウス 丸の内)
Lardini (ラルディーニ)
ジャケットに「華」をもたらし新時代を開拓する
ベーシックの中に潜む程よい色気を味わう
ウール100%のバスケット織りの生地を使って仕立てた定番モデル。3つボタンのノッチトラペル、2パッチポケット仕様で、丸みのある美しい袖付け、ブレスト部分のボリューム感は他では見られない完成度の高さ。
9万4000円(シップス 銀座店) シャツ2万4000円/オリアン、タイ1万6000円/ホリデー&ブラウン(以上ビームス ハウス 丸の内) チーフ〈スタイリスト私物〉
■ひと目で分かるラルディーニ
フラワーのアイコンでジャケットを装う楽しさを再認識させた
1978年イタリア・アンコーナで創業。フラワーモチーフのブートニエールでジャケットに・華・を添えた火付け役。ラルディーニのジャケットが堅苦しくなく、遊び心を持って楽しめることの象徴として世界中で知られるようになった。
直営店ができるまでにビッグブランドとして成長
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今季は日常使いしやすいコンフォート生地が充実!
ストラスブルゴではリラックス感あるニットジャケットに注目
「ニットジャケットでありながらラペルはキチンと成形され、上品さは保持。全体的に程よいフィット感が得られ、短めの着丈とも相まって、軽やかな印象です」(PR、杵淵元樹さん)。
6万4000円(ストラスブルゴ)
エストネーションではきちんと感重視のストレッチウールが人気
「パッと見はベーシックな色柄のジャケットでも、素材使いが秀逸。快適さを追求する日本のビジネスマンに向けたモデルが増えています」(プレス、宮田祐哉さん)。
10万2000円(エストネーション)
※表示価格は税抜きです。
撮影/平井敬治〈人物〉、若林武志〈静物〉、岡田ナツ子、小澤達也〈取材〉 スタイリング/四方章敬、宮崎 司(CODE) ヘアメイク/古川 純 構成・文/伊澤一臣 文/吉田 巌(十万馬力)、安岡将文 撮影協力/インターメスティック(Zoff)
[MEN'S EX 2017年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。