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コシノジュンコ、「一卵性母娘」ブルゾンを支えた言葉

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

人気お笑いタレント、ブルゾンちえみさんとのCM共演や雑誌対談が話題になっているファッションデザイナーのコシノジュンコさん(78)。「一卵性母娘」と呼ばれるほど親しくなった2人を結び付けたのは、ショートボブの髪形、目元を強調したメークなどお互いによく似たファッション感覚だった。いまや「女性ファッションデザイナーのアイコン」として世の中に定着した感もある独特のスタイルを貫くようになった理由のほか、2人が知り合ったきっかけや交友の秘話、人脈を広げるための極意などについて、コシノさんにインタビューした。

◇  ◇  ◇

 東京・南青山にある本社ビルの最上階(13階)。アトリエや書斎も兼ねているという自宅の広々としたサロンに鮮やかなブルーと黒のジャケットを羽織ったコシノさんが現れた。

「そのスタイル、とってもすてき」 16年の誕生会でアドバイス

――ブルゾンさんと最初に出会ったきっかけはいつ、何だったんですか。

「昨年8月25日、渋谷で開いた私の誕生パーティーにブルゾンさんが来てくれたのが最初の出会いです。実はその数日前に彼女が私のブティックに来ていて、残念ながら私は不在にしていたんですが、誕生パーティーがあることを知ったブルゾンさんが『ぜひ参加したい』とわざわざ足を運んでくれました。誕生会は会費制のサルサパーティー。会場内は音楽がガンガン鳴っていたし、お客さんが大勢来ていたので、それほどゆっくりとは話せませんでしたが、ブルゾンさんの方から丁寧にあいさつしてもらいました。髪形もメークもなんだか私によく似ていたし、会ってすぐに『面白そうな人だな』と思ったのが第一印象です」

――まだブルゾンさんがブレークする前のことですね。

「ブルゾンさん(岡山県出身)は芸能人を目指して上京したとき、雰囲気が私によく似ていると周囲からよく言われていたそうです。それがきっかけで私のファッションやスタイルを意識するようになり、『いつかコシノジュンコさんに会いたい』と思うようになってくれたらしい。それまでブルゾンさんのことはよく知りませんでしたが、名前が個性的だし、おかっぱのヘアスタイルやメークも私に似ているので『フィーリングが合いそうだな』と感じました。面識もないのに私に会いに来るという行動力自体がすごいことでしょう。とても好感が持てました。当時、彼女はタレントとしての将来に多少の迷いがあったようなので、『そのスタイル、とってもすてきじゃない。よく似合っているから、そのままでいいんじゃない。応援するわよ』なんてアドバイスしたのを覚えています。そんな私の言葉が彼女の心の支えになったようです」

実際の会話がドコモCMに、「24時間テレビ」マラソンを応援

――年が明けてから「キャリアウーマン」などのネタが大ブレークしましたね。

「ビックリしました。テレビを見ていたら、ブルゾンさんが2人のイケメンの男性(with B)を従えて『35億……』とつぶやく面白いネタをやって、大受けしていたのですごくうれしかった。笑いが知的だし、人間的にも素直で頑張り屋でいい子なんですよ。そしたらNTTドコモのCMの話が広告代理店から来て、なんとブルゾンさんの母親という設定で共演することになってしまった。私、CM出演はパーフェクTV(1997年)、サントリーの缶コーヒー『ボス』(2012年)に続いて3度目ですが、決められたセリフを話すのがどうも苦手なんです。カンペを出してもらっても目が泳いで演技が不自然になってしまう。でも今回は『いいのよ、ちえみはずーとこのままで』とか、『とってもすてきよ』とか、実際にブルゾンさんと交わした会話がそのままセリフになっていたのですごく楽にできました。撮影も1時間ほどで終わりました」

――ブルゾンさんは17年8月の「24時間テレビ」(日本テレビ)のチャリティーマラソンで90キロを見事に完走しましたね。

「あのときはテレビの前でハラハラしながら応援していました。マラソンのゴール地点の日本武道館まですぐに飛んで行きたいくらいの気持ちだった。90キロを完走するなんてすごい忍耐力。放映の数日後に私のブティックに来てくれたので、『ブルゾンちえみさん 完走オメデトウ』と書いたゴールテープを用意して一緒にお祝いしました。90キロも走ったんだから、筋肉痛でとても歩けないのが普通でしょうが、彼女は平気でスタスタと歩いていたのでその体力に驚きました。学生時代に陸上競技をやっていた影響もあるんでしょうね。ブルゾンさんの大胆な行動力や不断の努力が、多くの人の感動を呼び、今の彼女の成功につながっていると思うと本当にうれしいです。苦労している場面も見ているから、心から祝福したい気持ちでいっぱいです。ただ、51歳も離れているから、娘というよりは孫という感じですが……」

パリの伝説モデル、3姉妹のライバル心…ショートボブにした理由

――ボブのショートヘアや派手なマスカラメークなどのファッション感覚が2人を結び付けたわけですが、コシノさん自身はいつから、なぜそのスタイルにしたのですか。

「自分なりにいろいろと試行錯誤した結果、自然にこのスタイルに落ち着いたんです。私は大阪・岸和田で洋装店の3姉妹(ヒロコ、ジュンコ、ミチコ=いずれもファッションデザイナー)の次女として生まれました。当時の女の子は漫画『サザエさん』のワカメちゃんみたいなおかっぱの髪形が多かったんですよ。でも3姉妹ともまったく同じ髪形だったらやはり変だし、嫌ですよね。互いのライバル心もありましたから、自我が芽生えて成長するにつれて、姉のヒロコは髪を結って上げるスタイルに、妹のミチコはロングヘアになっていった。だから、私も姉や妹とは絶対に違う髪形にしようと思って、中学生のときにあえてショートのボブヘアにしたんです」

――昔の写真を見ると、スタイルがほとんど変わっていませんね。

「実は心のなかでずっと憧れていた人物がいました。パリで『モンパルナスのキキ』と呼ばれていたアリス・プランという伝説的な女性モデルです。画家の藤田嗣治やアメデオ・モディリアーニ、写真家のマン・レイらのモデルを務め、歌手、女優としても一世を風靡した人物で、マン・レイの愛人でもありました。そのキキがショートのボブヘアだったのでまねをしていたんです。私は学生時代に油絵を本格的に勉強し始めていて、様々な本を読んだりして知識を広げていたし、パリに憧れて芸術の世界を夢見ていた。もちろん、若いころはロングヘアにしたり、色を染めたりしたこともありましたが、結局は今の髪形に戻ってしまう。いろいろ試してみた結果、『やはりこれが自分のスタイルなんだ』と悟りました」

海外でも「デザイナーらしい格好」と受け止め

――コシノさんのスタイルが「女性ファッションデザイナーのアイコン」のように受け止められていますね。

「見た目でインパクトがあるから、まねがしやすいんでしょうね。ヘアスタイルやメークだけでなく、腕組みしたポーズとか、顔の表情にも私の独特なスタイルがあるようです。私は女性だから、自分のスタイルを努力して作り上げ、明確に打ち出すことができる。そうすることで『これが自分なんだ』という自信も自然に出てくる。そんな気持ちがブルゾンさんらに何らかの影響を与えていたとしたら大変うれしいですね」

「CGアニメ映画『Mr. インクレディブル』(ディズニー配給・ピクサー製作)にファッションデザイナー(エドナ・モード)が登場するんですが、なんだか髪形や雰囲気が自分によく似ているので『私みたいね』なんて思ったことがあります。ロンドンにいる妹のミチコも『あのキャラクター、もしかしたらお姉ちゃんをイメージしたのかもよ』と言ってました(実際は『ローマの休日』などを担当した米国の映画衣装デザイナー、イーディス・ヘッドがモデルとされる)。国際的に見ても『いかにもファッションデザイナーらしい格好』というものがあるのかもしれませんね。ただ、このスタイルを続けていると、どうしても年齢不詳になります。自分の写真をあとで見ても、いつ撮った写真なのか自分でもまったく分からなくなりますから」

自分から心に壁を作るのはもったいない

――お笑いトリオ、ロバートの秋山竜次さんも架空のクリエーターになりきるギャグシリーズでコシノさんによく似たキャラクターを演じていますね。

「あれは絶対に私を意識していますよね。秋山さん自身からはいままで何のコンタクトもありませんが、今春、ある会合で秋山さんの弟さんに偶然にお会いしたとき、『初めまして、ロバートの秋山の弟です。いつも兄がコシノさんのまねをしていて大変お世話になっています』と挨拶してくれました。私、いろいろな方からものまねされても全然、抵抗はありません。遊びの感覚が大好きだし、ありがたいことだと思っています。振り返れば、タイガースやスパイダースなどの衣装デザインを手がけたのも、篠山紀信さん、宇野亜喜良さん、寺山修司さんら文化人と親しくなったのも、ダイアナ・ロスら海外のスーパースターと知り合えたのも、すべて人との何気ない出会いがきっかけでした。時代の波に乗れたのはこうして人脈を広げてきたおかげだと痛感しています」

――ブルゾンさんのように才能を秘めた若者たちに送るメッセージはありますか。

「自分から心の壁を決して築くなということですね。人間は知らず知らずのうちに、未知の世界や人に対して見えない壁を築き、居心地の良い自分の世界にこもりがちになるもの。でも重要なのは、そんな壁をぶち壊して、いかに目を外に向け、積極的に足を踏み出すか。ブルゾンさんも、思い切って行動する勇気や努力を積み重ねたからチャンスをつかんだように、様々な人に出会ってこそ初めて自分の運命も開けてゆく。自分から心に壁を作るなんて、すごくもったいないことだと思います。自分の才能や運命を切り開くためにも、どんどん挑戦を続けて欲しいですね」

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