Men's Fashion

「リクルートスーツ思考」は出世しない 外見で主張を

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マニュライフ生命の「装い改革」(下)

2017.11.5

スーツにネクタイといった男性社員のドレスコードを廃止して自分の好きな服装での勤務を認めている外資系のマニュライフ生命保険。前回記事「フラットな組織は『私服』が似合う 自由が育む創造性」で紹介したように、働きやすさと生産性の向上を目指して「ドレス・フォー・ザ・デイ(その日の予定に合わせた服を着る)」という方針を打ち出した。「装い改革」の効果をトップはどう受け止めているのか。オーストラリア出身のギャビン・ロビンソン社長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。




――就職活動で学生が着るリクルートスーツに違和感があるそうですね。

「先日、金融庁に行ったときにインターンシップ(就業体験)生と思われるたくさんの女子学生に遭遇しました。全員が白いシャツ、黒いジャケット、黒いスーツでした。我が社の採用でも経験しています。今年の内定者5人はたまたま全員が女性でしたが、面接などではみんな同じ格好でした」

「彼女たちは確かに、全員がすごくプロフェッショナルに見えますよ。でも、ビジュアルではせっかくの個性が埋もれてしまって一人ひとりに区別を付けることができません。表面上は個性が全くないんです」

「キャリアで成功したい、あるいは組織の中で昇進したいと考えるなら、他の人に『あなたが誰なのか』を認めてもらう必要があります。ファッションは個性を表現する一つの手段です。もちろん、髪を青色に染めるというような話をしているわけではありませんよ」

■個性的な装いは自己アピールの武器

ギャップジャパンに委託してカジュアルな装いに関する社内研修を行った

「自分の考えを表明するときに、他と変わらない『ワン・オブ・ゼム』の黒いスーツの人が発言したというのでは印象が薄い。服が個性的なら『ああいう服装をしていた人が言っていたな』というふうに覚えてもらえます」

「男性も同じです。我が社に面接に来る学生は、みんなダークスーツ、白シャツにネクタイでしょう。一度彼らにジョークを言ったんです。『みなさん、同じ店で買ったんですか?』と。『一括セールがあったの?』と、からかったこともあります。全くウケませんでしたけれどね(苦笑)」