出世ナビ

英文メール・チャットの妙技

外国人上司との会話 「わかったつもり」が一番キケン 日本人が知らない、外国人上司/同僚も悩んでいること(1)

2017/12/5

PIXTA

 「ある日の朝、会社に行くと上司が外国人になっていた」。こうした話を耳にすることが珍しくなくなってきましたね。とはいえ、実際に自分の身に起こったらどうでしょう。そんなときのために心得ておきたい英語コミュニケーションの勘どころを、日経ビジネススクール講師で英文ビジネスライティング教育のプロ、ポール・ビソネット氏に教えてもらいます。

◇  ◇  ◇

 日本で働く外国人が、日本人の部下や同僚について愚痴らしきことを漏らしている場面に遭遇することがあります。彼らが、まるで出来の悪い子供のように日本人スタッフのことを語っている様子を見ると、私は非常にやるせない気持ちになります。日本人の勤勉さ・能力の高さは、世界に誇るレベルです。

 ただ、仕事ができる日本人の皆さんでも、それをすべて英語でこなすとなると、当然ハードルが高くなります。外国人上司が日本人の部下に対して、何か英語で指示を出し、部下から質問がなければ、「分かったんだな」と思うわけです。それでもし失敗したら、そんなこともできないのかと、ため息をつかれてしまう……。ある日突然、外国人上司/同僚を持つことになった日本人ビジネスパーソンにとって、まずはこのようなシナリオを防がなくてはなりません。

 外国人上司としても、日本人の部下や同僚が自分の指示を理解できているか、ちゃんと遂行してくれるかどうかを不安に感じているのです。ですから、もし少しでも「理解できていないかも」と思うときには、積極的に上司とコミュニケーションを取ってみることが大切です。

(1)自分の英語力の限界を率直に伝える

 最初の段階で、日常的な会話が成立するからという理由であなたの英語力が過大評価されると、ネイティブスピードの英語が襲いかかってきます。一度入ってしまった上司のネイティブスイッチをオフにするのは大変です。

 かといって「ノーイングリッシュ!」と自分の英語力を過小評価しすぎると、戦力外通告を受けるリスクがありますので、多少なりの努力姿勢を見せることで、上司の評価も上がるはずです。

◎率直さ、謙虚さ、やる気を見せる

Frankly speaking, I'm not confident about my English, but I want to do my best. (率直に申し上げて、自分の英語には自信がないのですが、頑張ります。)

◎熱意を持って、経験不足を説明する

・I haven't had a chance to use English lately/recently, but I'm (really) looking forward to the chance to work with you in English. (最近は英語を使う機会がなかったのですが、あなたと英語で仕事ができることを楽しみにしています。)

◎英語力の不足を経験で補う

My English is far from perfect, but I think I know this market quite well. So I should be able to help you. (私の英語は完璧とはほど遠いですが、このマーケットについては詳しいので、お役に立てると思います。)

(2)口頭ではなく、メールなどで指示を仰ぐ

 実のところ、書かないと忘れてしまうことってありますよね。その最たるものが、外国語での指示や外国人の名前と言えます。例えば、海外旅行中にホテルで目的地までの道順を英語で聞いたとします。どこの駅から何線に乗って、どこでバスに乗り換えて……と、すべての指示を1回で正確に記憶することは至難の業です。英語で指示された内容を頭の中で日本語に変換している最中に忘れることや、無意識のうちに違う内容に書き換えられてしまうことはよくあることです。

◎「あとで参照するため」という名目で頼む

For my reference, could you please give me the details by email? (私の参考までに、詳細をメールでいただけませんか?)

For our information later, I'd appreciate it if you could let me see the instructions. (後々の情報のため、指示を拝見させていただけるとありがたいです。)

I'm afraid I'll forget, so could you explain/share it by email? (忘れる恐れがありますので、メールで説明/共有いただけますか?)

(3)質問することを恐れない

 フォローアップのための質問であれば、どんどん聞きましょう。上司の指示に楯突こうとしているわけではなく、正しく理解できているかを確認するためなのですから。疑心を持ちながらでは仕事に集中することもできません。

◎丁寧で謙虚かつ真っ当な依頼は、相手にとって非常に断りづらい

If you don't mind, I'd like to clarify one more point. (もし差し支えなければ、もう1点、明確にさせていただきたいです。)

May I follow up with a question on the deadlines? (締め切りについて、フォローアップで質問してもよいですか?)

◎上司の上司に質問する

We'd be grateful if you wouldn't mind answering a follow-up question. (もし差し支えなければ、確認のための質問にご返答くださるとありがたく思います。)

ポール・ビソネット
 ピー・ビー・ライティングセンター代表取締役、日経ビジネススクール講師。1975年に来日以来、200社以上の大手日本企業にて、ビジネスライティングおよびテクニカルライティングを指導。

出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL