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ビジネス英語・今日の一場面

望まぬ異動にどう返事 後ろ向きと思われる3つの英語 デイビッド・セイン「影の英語」(50)異動を言い渡されて…

2017/10/26

 ひとつの言葉は様々な顔を持っています。日本人の言葉が意図していない意味合いで伝わることもあります。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が使いがちな言葉から「影にある意味」を紹介します。今回は、異動を告げられる場面です。

◇  ◇  ◇

 希望の再出発? それとも悪夢? 現実の社会が自分の望み通りに進まないことは百も承知です。でも、急な異動。それも考えてもみなかった部への異動の内示が出たら、どうすれば自分の気持ちを上手に伝えることができるのでしょうか。

We've decided to move you to the sales department. あなたを営業部に異動することに決定しました。

▲Well, I'm not very good at sales.
正しい訳:営業はあまりできません。
影の意味:営業をする気持ちはありません。

 「得意分野ではない」と言いたいときに、思い浮かぶのがこの not good at… ですが、これは遠回しに「営業をやる気持ちはありません」と否定的な意見を伝えることになります。

▲I've never done sales before.
正しい訳:営業はしたことがありません。
影の意味:営業はしたことがありません。ですから、できません。

 <have + never + 過去分詞>は「現在完了形」の「~したことがない」という「経験」を表します。この場合、「したことがありません」という経験の否定に「ですからできません」のニュアンスが加わります。

▲Do I have to do sales?
正しい訳:営業をしなければならないでしょうか?
影の意味:どうしても営業をする必要がありますか?

 have to…は、自分の意志とは関係なく「~せざるを得ない」という外的要因からの「義務」を表します。この言い回しであれば「私は気が進まないのですが、どうしてもしなければなりませんか?」というかなり消極的な言い回しになります。

これなら影の意味はない

◎I'm not really confident in sales, but I'd like to improve my skills.
 実は営業には自信がありませんが、自分のスキルを向上させたいと思います。

 「自信がない」のは事実でしょうが、それでも何とか取り組みたいという前向きな思いが出ていて、好感が持てます。

◎I've never done sales before, but I might enjoy it.
 営業はしたことがありませんが、楽しめるかもしれません。

 I might enjoy it.「(やってみると)意外と好きかもしれません」は控えめながら「何とかやってみよう」というポジティブな気持ちを表すことができます。

◎Okay, sure. But if there's accounting work I can do, that would be great.
分かりました、やりましょう。でも私にできる経理の仕事があれば、それはありがたいです。

 「とにかく引き受けましょう」という前向きな姿勢を示しつつ、本当に自分がしたいことを積極的にアピールするよいチャンスになるひと言です。

あなたが知らない本当の使い方―― confident

 「自信があります」I'm confident. は日本人にはなかなか言えないひと言かもしれません。confidence「自信」は名詞です。「彼女は自信家だね」であればShe has a lot of self-confidence. と言えます。またconfidentは名詞であれば「腹心の友、親友」の意味になりますので、その「形容詞」confidential にはちょっと意外な意味もあります。

I feel pretty confident in accounting, but not in sales. 経理にはかなり自信がありますが、営業にはありません。

*be confident in:~に自信がある、自信を持っている

Sally can give a presentation in a confident manner. サリーは自信ある態度でプレゼンをすることができます。

*in a confident manner:自信ある態度で

I'm confident that we'll finish before the deadline. 私たちは期限前に終えることができると確信しています。

*be confident that:that 以下であるという自信がある、確信がある

I'm not confident at all, but I can act confident. まったく自信はありませんが、自信を持って物事を行えます。

*act confident:自信を持って物事を行う

I feel pretty confident about doing cold calls. 売り込み電話をすることにはかなり自信があります。

* feel confident about…(ing):~(することには)かなり自信がある

about は前置詞なので、後ろに来るのは「名詞」あるいは「動名詞」になります。

*do cold calls:予約なしの訪問販売をする、売り込み電話をかける

Be confident in yourself. 自分に自信を持ちなさい。

* 自信を失くしている友人や同僚にかけたいひと言です。

I have total confidence in your ability. あなたの能力に全面的な信頼を持っています。

*この場合のconfidenceは「自信」というよりも、むしろ「信頼」と考えればよいでしょう。

This is confidential information, so don't tell anyone. これは秘密の情報ですから、誰にも言わないでください。

*confidential information:機密/極秘/秘密の情報

*“Confidential”書類の上にこう記してあれば、その書類は「社外秘」のこと

"Confidential Information" shall mean any information concerning the agreement, technical information and know-how. (ここで意味する)「秘密情報」とは本契約書、技術情報、ノウハウに関するいかなる情報をも意味する。

*二者以上で交わされる契約書にはこのような「秘密情報」の項があります。

 confidenceには「自信」以外にも「信頼、信任」などの意味があります。a vote of confidenceであれば「信任投票」。The president won a vote of confidence from the board of directors. であれば「社長は取締役会から信任を得ました」の意味になります。このように硬い場面で使われる vote of confidence ですが、Thanks for the vote of confidence! 「信じてくれてありがとう!」のようにカジュアルな場面でも使うことができます。逆に不信任投票であれば、vote of no-confidence となります。

Keep trying!

: D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は11月2日の予定です。

デイビッド・セイン David Thayne
 米国出身、20数年前に来日。 翻訳、通訳、執筆、英語学校経営など活動は多岐にわたる。企業や学校の人気セミナー講師。英語関連の出版物の企画・編集を手掛けるAtoZ(http://www.atozenglish.jp)・AtoZ 英語学校代表。

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