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「頭ずきずき」も瞬時に通訳 AI使いTOEIC800点 クラウド活用で端末小さく、胸ポケットにつける名札型も

2017/10/31 日本経済新聞 夕刊

富士通が18年度中に発売する病院向け自動通訳端末は胸元につけられる小ささだ

訪日外国人が年間2千万人を超える中、英語などを自動で通訳する機器が登場している。NECは小型の通訳端末を発売し、富士通は病院向けの端末を開発した。人工知能(AI)の進化などで、実力は英語能力テストのTOEIC(990点満点)で「800点レベル」と折り紙つき。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、通訳端末が活躍する機会が増えそうだ。

NECは18年1月、日英中韓の4カ国語に対応した小型の通訳端末を発売する。端末に話しかけるだけで、文章と音声で通訳してくれる。2月に開催された「東京マラソン」でも警備担当者が試験的に利用した。

家電量販店や百貨店では訪日外国人が増えており、こうした店頭での利用を想定。価格は5万円で、月額3000円で利用できる。

富士通は病院向けに小型の自動通訳端末を18年度中に発売する。名札型の端末を胸元に着けたまま翻訳できるため、医師が問診しながら外国人の患者と会話できる。医療機関で頻繁に使われる言葉にも対応し、「頭がずきずきする」といった内容であれば2秒以内に翻訳できる。

同社は電話の会話を通訳するシステムを開発した。日本語と英語に対応し、固定電話につないだパソコンの画面上に翻訳された文字が表示される。

自動通訳システムは英語や韓国語などの外国語の音声を認識し、文章や音声で日本語に変換する。クラウドにある翻訳エンジンを活用するが、これまでは試験運用にとどまっていた。音声認識システムの精度が向上してきたほか、高速通信網の整備でタイムラグがほとんどなく、自然な会話のように通訳できるようになった。

富士通やNECなどが使う翻訳エンジンは総務省所管の情報通信研究機構(NICT)が開発する。6月から翻訳にAIを導入したこともあり、日常会話には問題のない「TOEICで800点以上の水準になっている」(NICT)。

パナソニックは16年末に発売した「メガホンヤク」と呼ぶメガホン型翻訳機の受注を拡大している。成田空港や東京地下鉄(東京メトロ)で利用が始まった。災害など緊急時に旅客を誘導する用途を意識し、「電車が遅れています」などの日本語を英中韓の3カ国語の音声で伝えられる。

翻訳はインターネットを介さず、製品内部のデータベースに基づいて行う。翻訳できる語彙に制限があるものの、危険情報などの外国語をスピーカーから明瞭に発声できる。

自動通訳システムの多くはインターネットを介するため、今後はスマートフォン(スマホ)やAIスピーカーといった身近な端末でも利用できる見通し。小売店や病院だけでなく、観光地といった様々な場所で外国人と気軽に会話できるようになりそうだ。

[日本経済新聞夕刊2017年10月20日付]

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