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九州 味めぐり

旬菜も銘水も福岡・朝倉の四季折々の恵み 和食「まな板の上の旬 ぽぽぽん」

日本経済新聞西部夕刊

2017/11/9

 福岡・朝倉の四季折々の野菜を、丹念にとっただしで仕上げる料理の数々は、家族連れで訪れる子供たちも笑顔にする滋味深さだ。「野菜嫌いの子がおいしそうに食べてくれるとうれしいですね」。店主の中本英敏さんは顔をほころばせる。

 妻で女将の悠美さんは朝倉郡筑前町出身。妻のふるさとで採れる野菜の魅力に目覚め、福岡市薬院に和食店を構えたのは2011年のこと。だしに使う水も、朝倉の秋月城跡近く、その甘露のような口当たりをたたえた高僧最澄の命名と伝わる湧き水「甘水(あもうず)の銘水」を汲(く)む。土と水と、朝倉の恵みを存分に生かし腕を振るう。

イラスト・広野司

 見目も涼やかに冷たいだしに浸る冷菜盛り(950円)は、ねっとり濃厚なのにくどさのない自家製マヨネーズで。朝倉産の「古処(こしょ)鶏」と旬野菜の土鍋ご飯(1050円)は、あめ色に炊き上がったお米に千々に散らした野菜の彩りが美しい。コースは4500~1万3千円まで、予算に応じたお願いも可。店名通り、旬味に舌鼓を打てる。

 7月の九州北部豪雨は朝倉地方に甚大な被害をもたらした。野菜を仕入れる関連先にも被害に遭った農家があり、店の客からも心配する声が相次いだ。だが、災害に負けず実り続ける地場野菜の力強さからは、必ず復興を遂げる朝倉の未来が透けて見える。

(山本有洋)

〈まないたのうえのしゅん ぽぽぽん〉福岡市中央区薬院2の14の29 電話092・717・5646

食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。

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