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ペプチドリームの窪田規一会長

ペプチドリームの窪田規一会長

2006年に東大発のバイオベンチャーとして設立し、13年に東証マザーズ上場、15年に「一部上場企業」となったペプチドリーム。東京大学大学院の菅裕明教授が開発した「PDPS(ペプチド・デリバリー・プラットフォーム・システム)」という薬の探索システムを活用し、売上高営業利益率が50%を超すビジネスモデルを築き上げた。時価総額は4300億円を突破、従業員1人あたりでは上場企業でトップの水準だ。窪田規一会長に、そのマネジメント手法と今後の目標を聞いた。

自由にやらせれば、みんなやる気が出ると思っていた

――臨床検査受託大手のエスアールエルに勤めていた頃は、上司の言うことをなかなか聞かない、扱いにくい部下だったとのことですが、トップとしてはどういう姿勢で社員と接しているのですか。

「僕自身が、人に言われてやる仕事は好きじゃなかった。社員に対してもやりたいこと、導き出したい結果があるなら、それに向かって自分で邁進(まいしん)しろ、というのが基本的なスタンスだ。『成功すればあなたの実績。これ以上放置すると確実に失敗すると思った時点で手は入れるかもしれないけど、最終的に失敗したらその責任は僕が取る』と。そういうのが僕のやり方だ」

「ただ、すごく反省している点もある。自分で好きにやれと言われれば、みんな喜んで思う存分やってくれるものだと思っていたが、『窪田さん、もう会社を辞めようかと思ってます』と深刻な顔つきで言ってきた社員がいた。『どうして』と聞くと、『僕は指示をしてもらわないと、何をやっていいかわからない。指示をされないってことは、僕は要らない人間じゃないかと思う』と言うんです。『いや、そうじゃないんだよ』と返したが、彼にはっきりとこう言われた。『何も言われなくとも自分で目標を掲げて進める人間より、言われなければ動けない人間のほうが僕は多いと思います』と。ガビーンときた。へえ、そうだったのかと」

働きアリの理論

――そういうタイプの人間もいる、ということに気づいてマネジメントのスタイルは変わりましたか。

「なかなかそういう人に手取り足取り教えるというのは難しくて。今でも不得手かもしれない。やはり、自分と同じようにものを動かせる人間、格好いい言葉でいえばクリエーティブな発想ができて、アクションもできるという人間に、ある程度権限を移譲し、チームを作ってやってもらう。それが僕には心地がいいし、やっぱりスタイルとしては合っているんだと思う」

――自分と違うタイプの社員がいても、それはよしとするのですか。

「もちろんだ。クリエーティブな人間ほど自我、自尊心が強いので、独りよがりだったり、僕みたいに人の言うことをなかなか聞かない。でも、そんな人間だけ集まったら組織は崩壊するので、そうじゃない人がいるってことは絶対に必要。両者をうまく組み合わせることで、初めて組織やチームが動くようになる」

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