「通常の機械式時計は、60時間を経過すると精度が落ちてきます。調速機構にぜんまいを使っているためです。これに対して、私たちの新機構は(ぜんまいを使わないため)精度が24時間全く変わりません」
――なぜ開発に取り組んだのですか
「常に改革者であるということがゼニスの存在意義だと考えているからです。伝統的な時計の製法をそのまま続けるということではなく、改革を遂げて新しいものを生み出し、未来をつくり出していくということが、ゼニスが考えているあるべき姿であり、存在意義なので、今回の革新的な開発に取り組みました」
「開発には4年ほどかかりました。13年の終わりにこのプロジェクトはスタートしました。開発責任者がアイデアを提案してきたときに、すぐやろうと決めました」
■ゼニスは改革の時期にある
――今後の日本市場での戦略は。
「基本的には戦略を市場ごとに変えるつもりはないので、日本も全世界と同じようなかたちで展開を考えています。ただ、日本は非常に重要な市場だと考えているので、商品の供給などで優先していく市場です」
――日本での店舗拡大は考えていませんか。
「今はむしろ販売拠点を減らす方向で考えています。ここ1、2年のうちにブティックを増やそうという考えはありません。ただ、将来的にはあと2店舗ほどのブティックを日本で展開しようと考えています」
「現在、ゼニスとしては内部的な組織などを含めて、改革の時期にあると考えています。その一環として、販売拠点の数は減らします。ただ、残す拠点については、今まで以上に深い注意を払って展開していこうと考えています」