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食べ物 新日本奇行 classic

鍋のシメ、あなたは何? ご飯、うどん、ちゃんぽん… ご当地鍋物(1)

2017/10/22

 今回から、テーマは「ご当地鍋物」である。

 八戸せんべい汁、石狩鍋、きりたんぽ、あんこう鍋、鹿(もみじ)鍋、鱧(はも)すき、鴨の貝焼き、水軍鍋、もつ鍋など、全国には有名な鍋があるが、知っているつもりなのに本当は真髄がわかっていなかったという例もあろう。

 ごく限定された地域でしか食べられていない、例えば能登の「とり野菜みそ」のような鍋物もある。鍋物は基本的に地元で手に入る食材で作るから、鍋の中身をじっと見ていればその土地の姿が浮かんでくるはずである。

デスクが自作したひっぱりうどん
ご意見 山形には芋煮会やどんがら汁など名の知れた鍋もありますが、冬に山形県人がこよなく愛するのが「ひっぱりうどん」でしょう。
 大きな鍋で乾麺をどっさりゆでて、麺を洗ったりしないで鍋から直接お椀に取り、納豆、サバ水煮缶、刻みネギ、生じょうゆをかき混ぜたつけ汁を絡めて食べる。日本一サバ缶を煮て食べる県ならではの超簡単、極ウマ鍋料理です(山形県中央部住人/カラハシさん)

 うーん、これはうまそう。納豆とサバ水煮缶との混合物ってどんな味がするか知らないが、うまそうな予感だけは確かにするのである。

デスク 確かにうまそう。

ご意見 霜が降りる寒の時期はこれに決まり。ハリハリ鍋です。カツオと昆布で出しを引き、しょうゆとお酒で味付けを。主役はもちろん水菜です。当時は我孫子の水菜が一番だったそうです。取り合わせはお揚げさんとか鯨が良いですね。河内鴨があればそれも良し。大阪菊菜や難波葱や田辺大根も加わると、もうたいそうなごっつぉぅです。今はこんなん、食べよぅ思てもなかなか食べられしませんけど(豊下製菓の豊下さん)
豊下製菓の豊下さんのご案内で食べに行った本場のハリハリ鍋

 大阪といえばハリハリ鍋。私がこの鍋に出合ったのは入社して1年目か2年目の冬であった。社会部の宴会が有名な鯨料理の店で開かれ、コースのメインが鍋であった。そのころ私は水菜を知らず、着物の女性が「水菜の歯ごたえがハリハリしますやろ? そやからハリハリ鍋いうんです」という説明を「なーるほど」と聞いていたのであった。

 能登の味。

ご意見 「とり野菜みそ」についてですが、私、福井に長年住んでおりながら全く聞いたことがありませんでした。身近な石川県人に聞いたところ「知っていないほうがおかしい。1回食べてみまっし」と方言でまくしたてられる始末。それほど石川県内では当たり前の鍋のようです。
 作る際はまつや「とり野菜みそ」を使うのが定石らしく、スーパーの至るところにこのみそが積まれておりました。具材が鶏肉と白菜だけにもかかわらず、特製みそのおかげで結構濃厚な味でして、なかなかいけます。
 聞き取り調査の結果、「鳥野菜みそ」ではなく「とり野菜」が正確な表記らしく、その意味は「(摂り)野菜」つまりは野菜を摂れる鍋である、という説がございました。これって本当でしょうか?(どらねこさん)
まつやの「とり野菜みそピリ辛」を使って鍋を作ってみました

 能登半島の付け根にあたるかほく市の「まつや」が発祥の店とされる。

 この店の「とり野菜」は鶏肉と白菜のみ。30種類以上の材料で作った特製味噌を溶いて食べる。金沢周辺の家庭では、この味噌を買って自宅鍋が普通。失敗しようがないところがうれしい。北前船のまかない料理がルーツとの説があるが、どうなのかな? だって日本で白菜が普及するのは日清、日露戦争の後だし。そのころ北前船はなかったし…。

 こんなものが入った鍋もある。

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