「高学歴芸人」が続々 東大院生は二刀流に挑む

各界に人材を送り出す東京大学。お笑い界に進む卒業生も増える?

「司法試験を突破するには一定の勉強時間が必要になる。ロースクールの3年コースに通うが、授業の勉強だけではおぼつかない。法科大学院の学生は10時間以上を費やす人が少なくない」と大島は頭を抱える。

一方で、タレント活動一本に絞る気にはなれない。「お笑い一筋という先輩から怒られるが、複数の仕事をこなす人の方が幅も広がるし、相乗効果もあり、結局は強いと思う」と話す。

尊敬する爆笑問題の太田光は、タレントで漫才をやりながら、小説やコラムも書く。所属事務所の顧問弁護士でもある元大阪府知事の橋下徹も弁護士、タレント、政治家など何足ものわらじを履いてきた。タイタンの戦略も大島を「お笑い芸人+東大卒弁護士」の二刀流で売る作戦だ。「事務所の社長からも早く合格しなさいとせかされる」という。

テレビに出るようになっても父親の視線は冷たい。とにかく弁護士になってほしいと願っているのが大島には痛いほど分かる。たまに「ちゃんとやっているか」と問われる。大島自身も「このままでダメだ。どこかの時点でしっかりと法律の勉強しないといけない」と自覚している。

弁護士一本でも厳しい

ただ、「今の時代は弁護士一本でなかなか食べられない」とも話す。

司法試験改革で弁護士の数は急増している。大島の母校、筑波大付属高校の先輩であり、東大在学中に司法試験を突破した山口真由も、「一昔前は弁護士は先生といわれ、営業とか考えられなかった。しかし、今は弁護士だからといって社会的な地位と高収入を保証される時代ではない」と話す。

山口は財務省から弁護士を経てハーバード大のロースクールを修了。テレビ番組にも頻繁に出演するが、現在は大学教授を目標に東大大学院に通っている。「ただの弁護士ではなく、プラスの何かが必要だ」という。

芸能界は厳しい。大手事務所幹部は「1千人のうち1人も売れない世界。一発屋に終わるタレントも少なくない。むろん、学歴は関係ないけど、東大出身者とかは、その手の番組は増えているから、少しはいいかも。ただ、よほどの精神力と体力がないと長続きはしない」という。

現在の新卒は大企業志向が強い。安定を求める一方で、「大企業でもいつ破綻するかわからない」などと、企業が永遠ではないことも知っている。複数の仕事をこなす「パラレルワーク」に挑む若いビジネスパーソンも増えている。二刀流に挑戦する大島。正念場はこれからだ。

=敬称略

(代慶達也)

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