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リクルートキャリアが10月12日に発表した「転職時の賃金変動状況」によると、2017年7~9月期に「転職で1割以上賃金が上昇した転職決定者」の割合は29.9%と、調査開始以来、最高水準に達した。「いま転職した方が得なのではないか」と思う人も少なくないだろうが、本当にそうなのか。35歳以上の方々が転職のタイミングをどう考えればいいのか、その見極め方についてお伝えする。

年収変化で考える転職のベストタイミング

転職活動中の方にとって、「業界や職種が自分の希望に合っているか」や「会社の社風や価値観が自分とフィットするか」ということ以上に、「年収が上がるか、下がるか」は、もっとも気になる事項です。

リクルートキャリアが今回発表した「転職で1割以上賃金が上昇した転職決定者が29.9%となり過去最高を記録した」という調査結果は、年収を重視する転職検討者にとっては、追い風になるいいニュースです。求人倍率が上昇し、超人手不足時代となっているおかげで、売り手である転職者にとって非常に恵まれた環境になっていることは事実でしょう。

前職比で賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合(リクルートキャリア「転職時の賃金変動状況」)

前職比で賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合(リクルートキャリア「転職時の賃金変動状況」)

新卒で社会に出るタイミングは、自分では選べません。現在のような売り手市場のタイミングで就職活動をすることができる人は、希望の就職がしやすいですし、逆にリーマン・ショック後のように景気が冷え込む時期に当たると、就職率そのものが低下するなど、厳しい就職戦線を強いられます。

しかし、転職の場合は、倒産や突然のリストラなど、予想外の事態で受動的に転職活動をしなければいけない状況にさらされなければ、基本的に自分でタイミングを選ぶことができます。そういう意味では、求人数が多く、年収が上がりやすい現在は、転職活動をするには、確実に好機といえると思います。

3年に1度は「妄想転職」で棚卸し

とはいえ、年収などの条件は、転職の満足度を決めるための重要条件ではありますが、やはり自分自身の志向や価値観、希望するキャリアの方向性とフィットしているかどうかは、長期的な仕事満足度に大きな影響を与えます。

特に、企業の実質的な年齢制限によって転職可能性が大きく減少し始める35歳からは、定期的にキャリアの棚卸しをしていく必要があります。結果的に転職するかどうかにかかわらず、できれば3年に1度はじっくり今後のキャリアを考える時間を取っていただきたいと思います。

倒産やリストラ、人間関係や評価の悪化など、受動的に転職活動を迫られるのと、自らのキャリア設計にのっとって、能動的に転職活動を始めるのとでは、転職活動時の心理状態や選択肢、合格可能性などがまったく変わってしまいます。常に自分が主導権を持って、能動的にキャリアに向き合っておくことは、人生全体の満足度を高めるためにも本当に重要だと考えます。

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