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快速と急行、速いのはどっち? もつれる列車種別の謎

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NIKKEI STYLE

急行や快速、特急、準急など、鉄道会社によって電車の種類はさまざまだ。急行が快速より速い路線もあれば、逆のケースもある。直通運転の拡大で、急行が途中から各駅停車に変わる珍現象も起きている。なぜこれほど電車の種類が増えたのか。調べてみた。

 ◇   ◇   ◇

急行が途中から各駅停車に

東京・渋谷駅と横浜駅を結ぶ東急東横線。2013年に東京メトロの地下鉄副都心線と直通運転が始まり、複雑な運行が続いている。

まずは横浜駅から急行電車に乗った。行き先は「和光市」。横浜高速鉄道みなとみらい線から乗り入れ、渋谷駅から副都心線になる直通列車だ。

渋谷で地下鉄となり、東新宿駅まできたところでアナウンスが流れてきた。

「急行電車の通過待ちを致します。発車までしばらくお待ちください」

急行に乗っていたはずでは? と思い、行き先表示を確認したところ、「各停」となっている。東横線内は急行だったのに、渋谷駅を境に各駅停車に変わったようだ。

そのまま乗り続けて和光市駅でいったん降り、ホームに出る。隣のホームで行き先表示の電光掲示板を見ると、「普通 川越市」とある。普通? 各停ではないのか?

確認のため、副都心線ホームに移動すると、こちらは「各停 元町・中華街」……。何ともややこしい表示だ。

東武東上線では「快速>急行」

東横線や副都心線には、西武池袋線、東武東上線、みなとみらい線が乗り入れている。実はこれらの路線、鉄道会社ごとに「急行」「快速」などの呼び名が違うのだ。

専門用語では「急行」や「快速」などの列車の種類のことを「種別」と呼ぶ。この種別を速い順に並べてみよう。

まずは東武東上線。「快速急行」「快速」「急行」「準急」「普通」となっている。

これに対して西武池袋線は、「快速急行」「急行」「通勤急行」「快速」「通勤準急」「準急」「各停」だ。

一方で副都心線はというと、「急行」「通勤急行」「各停」。東急東横線は「特急」「通勤特急」「急行」「各停」、みなとみらい線は「特急」「通勤特急」「急行」「各停」となっていた。

東武線、複雑な種別変更の歴史

似たような名前が並び、よく分からなくなってきたかもしれない。だがよく見ると、鉄道会社によって速さの順番が微妙に違う。特に不思議なのが、急行と快速の順番だ。多くの路線が「急行>快速」となっているのに対し、東武東上線だけは「快速>急行」と逆転しているのだ。

なぜなのか。東武鉄道に尋ねたところ、「もともと特別料金が不要な列車種別の中で、快速が一番速かったから」との答えが返ってきた。

この辺りの経緯はややこしい。現在、半蔵門線に乗り入れている東武伊勢崎線ではかつて、急行は特急と同じく特別料金を払って乗る列車で、「特急>急行」という順番だった。

06年3月、東武はダイヤを大幅に改正し、それまでの「特別料金型」急行を特急に統合した。一方で新しい種別を作ることとなり、そこに再び急行を使用。「東武線内では快速が一番速いイメージが定着しているので、快速の下に位置づけた」という。

06年のダイヤ改正は、地下鉄半蔵門線、東急田園都市線に乗り入れる列車を強化する狙いがあった。このため直通列車はメトロや東急でなじみが深い急行とし、東武線内は快速、とすみ分けた側面もある。

東上線はといえば、06年時点では「急行>準急>普通」という順番で、急行は特別料金不要の列車だった。しかし13年のダイヤ改正で東上線にも快速を作り、伊勢崎線に合わせて「快速>急行」とした。その後、17年の改正で伊勢崎線が快速を廃止し、東上線だけに「快速>急行」が残った、というわけだ。

ちなみに現在、副都心線や東横線など5社が乗り入れる路線では、各路線を最速でつなぐ「Fライナー」が走っている。16年に登場した。東武線内は「Fライナー急行」、東急線内は「Fライナー特急」など呼び方は微妙に変わるものの、Fライナーが付いていれば速いので分かりやすくなった。

急行と通勤急行、どっちが速い?

ややこしいのは快速だけではない。種別を巡っては、鉄道会社ごとにルールが異なり、たまに訪れると戸惑うことがある。

例えば特急の扱い。東急や京王電鉄では無料で乗れるのに、西武や東武では有料になっている。

「通勤○○」も複雑だ。西武新宿線では「通勤急行>急行」なのに、西武池袋線だと「急行>通勤急行」と逆転する。

なぜか。西武鉄道に聞くと、「池袋線と新宿線とでは輸送形態が異なり、種別の考え方が違う」という。「池袋線は停車駅、新宿線は時間帯に応じて種別を設定しています」

池袋線では、混雑が激しいラッシュ時に通勤急行を走らせている。急行より停車駅が多いものの、急行が止まるのに通勤急行は通過する駅もある。

「例えば隣り合っている東久留米、ひばりケ丘、保谷駅のうち、東久留米と保谷に通勤急行、ひばりケ丘に急行が停車します。通勤急行はひばりケ丘には止まりません。前の電車につかえて動かなくなったり、急行に乗客が集中してしまったりといった事態を少しでも緩和するための工夫です」

こうした工夫は「千鳥ダイヤ」と呼ばれ、ラッシュ時に採用しているという。路線ごとにどこの駅に止まるか、どれを通勤時の限定列車とするか事情が異なることが、種別を複雑にする一因となっている。

各停? それとも普通?

各駅停車を巡る謎もある。東武鉄道では、各駅に止まる列車を「普通」と呼ぶ。だが実際に乗ってみると、車内放送では「各駅停車~」とアナウンスしていた。同社に経緯や理由を尋ねてみたが、「分からない」とのことだった。

各停を「普通」と呼ぶのは東武だけではない。関東では京成電鉄、関西では近鉄や阪急電鉄などが「普通」を使っている。南海電鉄は南海線で「普通」、高野線で「各停」と路線によって違う。

さらに特殊な例も。東急大井町線では、各停なのに停車駅が異なる2つの列車がある。高津駅、二子新地駅に止まる「青い大井町線」と、2駅を通過する「緑の大井町線」だ。これも沿線事情によって生まれた珍現象だ。

調べれば調べるほど複雑な列車種別の世界。ただそれぞれに固有の事情があり、わかりにくいと一刀両断にはできない。鉄道ライターの杉山淳一さんは「複数の路線を比べればややこしいが、人々の生活圏は沿線ごとに限られる」と指摘する。

通勤時間帯に地下鉄直通で都心に向かう通勤客と、日中にターミナル駅に向かう人のニーズは確かに異なる。余計なお世話、なのかもしれない。

とはいえ鉄道フォトジャーナリストの櫻井寛さんは「もっとシンプルにすべきでは」と訴える。「自分も地元の路線でさえ理解できないときがある。快速と急行、快速急行と通勤急行の違いを外国人旅行者に説明できますか?」

言ってみれば、沿線住民向けのきめ細かさと、対外的な分かりやすさの対立。どちらをとるか。あるいは両立できるのか。鉄道サービスは難しい。

(生活情報部 河尻定)

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