日米で景気の好循環 株の同時高をけん引(武者陵司)武者リサーチ代表

「日米の株式相場が同時高の様相を強めているのは、経済の好循環がある」

日米の株式相場が同時高の様相を強めている。日経平均株価は約21年ぶりに2万1000円台を回復し、米ダウ工業株30種平均も過去最高値圏で推移している。日米景気がそろって好調で、北朝鮮問題を除くとリスク要因が見当たらなくなってきた。日本の衆院選で与党が勝利すれば、日経平均は年末にかけてさらなる上昇が期待できよう。

日銀が10月2日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業で10年ぶりの高水準となった。

短観では特に化学、電気機械、生産用機械、業務用機械といったグローバルな設備投資関連の好調ぶりが顕著である。大企業・製造業の2017年度上期の経常利益は前年同期比23.1%増と、13.8ポイントの大幅な上方修正となった。下期は1ドル=109.12円の為替水準を前提に前年同期比8.9%減と慎重な見通しだが、上方修正含みであろう。

日米で高まる設備投資意欲

大企業・製造業の17年度の売上高経常利益率は7.47%とリーマン・ショック直前(06年度)の6.76%、バブル景気ピーク(1889年度)の5.75%を大幅に上回る見通しだ。かつて日本企業はアジア勢に価格競争で敗退したが、最近は事業の高付加価値化、好採算化にシフトしている様子がうかがわれる。

好況、好利益の下で設備の過剰感が一掃され、不足感が台頭している。企業は折からの人手不足もあって当然ながら、設備投資意欲を大幅に高める。17年度の設備投資計画額(土地を除きソフト・開発研究を含む)は、大企業で前年度比7.5%増、中堅企業で14.0%増、中小企業で4.7%増と顕著に増加している。利益増からいよいよ投資増へと、日本の景気拡大に弾みがつきつつあるのである。

好循環は米国でも顕著である。米サプライマネジメント協会(ISM)が10月2日発表した9月の米製造業景況感指数は約13年ぶりの高水準となった。特に新規受注はリーマン・ショック以降最高となった。耐久財、資本財受注の伸長など経済拡大のけん引役が設備投資に移りつつある姿が垣間見える。日米ともに経済はいよいよフルスロットルの拡大局面に入りつつあるといえる。

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