「質より量」という学食のイメージが、変わってきている。街なかのレストランで出てくるような本格メニューが食べられるのだ。一般客も利用でき、質、量、低価格の三拍子がそろった「わざわざ行きたい」学食が増えている。
中央大学多摩キャンパスは、1階から4階までビル1棟に飲食店がひしめく。注目は、握りずし10貫セットだ。エビ、サーモン、マグロなど定番のネタがそろって、1皿500円で食べられる。
東京大学柏キャンパスの目玉は、540円の日替わり海鮮丼。火曜日の本マグロ丼が人気で、午前11時半の開店から2時間で約150人が詰めかける。全国の学食を食べ歩く早稲田大学学食研究会のイチ推しは、千葉商科大学。メイン料理を1つ、小鉢は2つ選べ、スープとライス付きで550円。ゆったり過ごせる空間で「従来の学食のイメージを覆した」(同研究会の奥田晨生幹事長)。
学費に次いで家計の負担がかかるのが食費。安くて栄養満点のメニューが充実しているなら、親も安心だ。
[注]価格は税込み
中央大学、500円にぎりずしにビュッフェも充実

多摩キャンパスでは、握りずしが10貫500円。量り売りビュッフェもある。ハンバーガーから和食まで、4階建てのビルにさまざまな飲食店が入り、選択肢が広い。
東京大学、柏キャンパスに本格寿司店

柏キャンパスにはすし店「お魚倶楽部はま」があり、日替わり海鮮丼が540円で食べられる。火曜日限定の本マグロ丼は特に人気で、すぐ満席に。日本酒も豊富にそろう。
千葉商科大学、丼定食は450円

外部のレストランを運営に迎え、15年に全面リニューアル。メイン料理と小鉢2品を自分で選べる「プリフィックススタイル」のランチが550円。丼セットなら450円だ。
國學院大学、本場香川の麺を直送

渋谷キャンパスの「和[NAGOMI]」は、かけうどんが220円。生麺やダシの材料を本場・香川から取り寄せる本格派だ。
同志社大学、写真映えするパフェが550円から

室町キャンパスの「アマーク・ド・パラディ寒梅館」は、パフェが人気。抹茶、チョコレートなど種類が多く、どれも写真映えする大きさ。550~600円とお手頃。
立命館大学、JAコラボで「100円でも本格」

「学生なら100円メニュー」の質も上がってきている。立命館大学は4月、びわこ・くさつキャンパスのテナントにJAを誘致。朝は、中華丼や野菜たっぷりカレーが100円で食べられる。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年10月号の記事を再構成]