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格安SIM、前借りでギガ死を回避 まるでお小遣い

格安SIM最前線

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NIKKEI STYLE

いつもよりスマートフォン(スマホ)を使いすぎて、契約しているデータの通信容量を使い切ってしまったとき、どうしているだろうか。お金を払って容量を追加するか、それとも翌月になるまで低速で我慢するか。格安SIMの「nuroモバイル」(ソニーネットワークコミュニケーションズ)が始めたのは、通信容量を「前借り」できるサービスだった。他社にない新サービスが誕生した背景、そしてその狙いとは?

翌月から通信容量を借りられる「データ前借り」

nuroモバイルが開始した新しいオプションサービス「データ前借り」は、その名が示すように、翌月分の通信容量から一部を前借りできるサービスだ。来月支払う通信料金からの「前借り」なので、通常の月額料金以外は発生しない。その代わり、来月の通信量は前借りした分、少なくなる。

格安SIMの通信容量を使い切ると、通信速度が非常に遅く制限されてしまう。いわゆる「ギガ死」の状態で、月末まで不便な思いをした経験がある人も少なくないだろう。容量を追加チャージできる格安SIMも多いが、月額の通信料金と比較すると、割高だ。コストが命の格安SIMだけに、できることなら追加購入は避けたい。

その点、データ前借りなら追加料金は生じない。翌月の通信容量は借りた分だけ減ってしまうが、余った容量は翌月(本来使う予定だった月)に繰り越されるので、無駄にはならない。「ときどき月末に通信が低速になって困ったことがある」という人にとっては現実的な選択肢だろう。nuroモバイルを運営するソニーネットワークコミュニケーションズによると「利用者の利便性向上のための機能」。2017年8月にスタートして2カ月、年齢・性別問わず幅広く利用されているという。

便利なのは、前借りできる容量が1メガバイト単位と小刻みな点だ。nuroモバイルの場合、容量チャージは100メガバイト、500メガバイト、1ギガバイトと3段階。他の会社も容量の選択肢は限られる。それに比べ、データ前借りは、本当に必要だと考える分だけを選ぶことができる。利用の仕方も簡単だ。nuroモバイルの「容量プラン」(通信容量が毎月決まっている月次制の料金プラン)を契約していれば、誰でもマイページから申し込める。なお、データ前借りを利用した場合、翌月までnuroモバイルを解約できない。

この前借りプランだけでなく、以前紹介した「時間プラン」(記事「動画が毎日5時間見放題 スマホに時間縛りの新定額制」参照)など、nuroモバイルは他社にはないユニークなサービスを提供している。これらのサービスはどうやって生まれたのか。ソニーネットワークコミュニケーションズの細井邦俊氏(モバイル事業部門ビジネス開発部長)と松井健一氏(モバイル事業部門ビジネス開発部モバイル推進課チーフ)に話を聞いた。

チャージよりもお得な「前借り」

――データ前借りを導入した理由は?

細井 私たちは追加容量のチャージも提供しているのですが、ユーザーの方々、特に若年層は「来月になれば容量が復活するから」と、通信容量を使い切っても低速のままで我慢して使われる人が多いのです。そういう方々にもより快適にサービスを利用していただく方法はないかと考えた結果、生まれたサービスが前借りというプランでした。

細井 チャージは単価が高く、最低でも100メガバイトを購入するしかありません。購入するのに手間もかかります。月末の残り数日を乗り切るためだけに余分な容量を追加する必要があるのかと、改めて考えました。

細井 月の前半から容量が足りないようなら料金プランそのものを変更する必要がありますが、「あと3日」というタイミングだったら、容量を借りられれば財布を傷めることもありません。1メガバイト単位で借りられるので、ちょっとだけ足りなくなっても前借りで済むという安心感があります。

発想の原点は「お小遣い」

──そもそもなぜ「前借り」なんでしょうか。

松井 発想の原点は「お小遣い」です。社内の企画会議で「月末にお小遣いが足りなくなったとき、母親から来月分を前借りしたよね」というアイデアが出てきた(笑)。

うちの企画会議は、定期的に開かれる会議に出席者が必ず企画書を作って参加する、という形式ではないんです。だいたい隔週で開かれるんですが、来たいときに来る、というシステムです。参加者も部横断で、システム担当もネットワーク担当も営業も参加できます。時間プランもここから生まれました。

細井 さまざまな部署の人たちが参加すればいろいろなアイデアがでますし、そのアイデアが実現すれば「自分たちが作ったサービス」という愛着もわいてくるでしょうし。

松井 我々が事前にスクリーニングをすることもありません。みんなで話し合いながらいいと思ったアイデアが出たら、それを深掘りしていく。細井さんは、どんなアイデアでも「否定」から入らないのですごく助かります。

──「前借り」のアイデアを持ってきたのは?

松井 30代半ばの、通信装置を作っているシステムエンジニアでした。彼が「こんなのどうかな」と持ってきた、パワーポイントで作ったプリントに「お小遣い、前借りさせて」と書いてあったんです(笑)。

──「前借り」という言葉、久しぶりに聞きました。

細井 ネーミングにはしばらく悩みました。「前借りは死語じゃないか」とか、「英語のほうがいいんじゃないか」とか。

松井 「データレンタル」という案も出ましたが、でも返却はしないし(笑)。

細井 幅広い年齢層に利用されているなかで、どんなサービスなのか、すぐに理解してもらえるだろうと。年齢を問わずストレートに伝わるワードを検討した結果、「前借り」に落ち着きました。

松井 実は企画のスタートが「お小遣いの前借り」だったことは、発表会の資料にも書いてあったんです。ただ最終的には削りましたが(笑)。

「翌日の前借り」にも期待

お小遣いの思い出から誕生したというデータ前借りは、ストレートなネーミングのおかげで、何ができるサービスなのか、どんなメリットがあるのかを理解しやすい。

また「格安SIMに移行したいのだが、毎月どのくらいの容量を使うのかよくわからない」という人にとっても役立つ。nuroモバイルの「容量プラン」は2GBから10GBまで1GB刻みで毎月の使用量を選ぶことができる。この細かさは格安SIMでもめずらしい特徴だ。もし毎月、前借りをしなければならないようだったら、1GB上の容量に変えるという対策も取りやすい。複雑なサービスが多いスマホの世界で、このわかりやすさは大きなアドバンテージだろう。

考えてみれば、同社の時間プランも、「スマホを使った時間=高速通信を使った時間」と捉えれば、5時間のうちあと何時間残っているかをイメージしやすい料金プランだった。

惜しいのは、前借りできるのが容量プランに限られ、時間プランでは利用できない点だろう。時間プランでも翌日から前借りができれば、「今日は映画を見たいから2時間前借りしよう」といった、直感的な使い方ができて便利だと思うのだが。ソニーネットワークコミュニケーションズによれば今後については「データ前借りの利用動向を分析した上で様々な可能性を検討していきたい」とのこと。ぜひ期待したい。

(ライター 松村武宏、イラスト 三井俊之)

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