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タスヴェリ

ビットコインで1週間生活してみた 手数料には仰天 支払いはわずか数秒と簡単

2017/10/13

 【2日目】 仕事に追われ、昼食に出かける余裕がなかった。インターネットでビットコインが使える店を探したが、会社から遠い。面倒になって結局、ビックカメラで買った柿の種を食べて過ごした。

 【3日目】 この日も仕事に追われ、昼食に出られなかった。買い込んだ柿の種がどんどん減っていく。空腹感が限界まで高まったところで夕方、東京・日本橋の焼肉店「赤身にくがとう」へと向かった。ビットコインでの支払いに対応し、個人投資家のあいだでよく知られたお店だ。

 久しぶりのごちそうだ。赤身のかたまり肉にイチボの1枚焼き、そして生ビール。口の中に広がる肉のうまみと、ビールの苦み・炭酸が一気に喉を駆け抜ける。気づけば1人で0.01266ビットコイン(6102円)も注文していた。

一部の歯科医院でも使える。こちらでは「ビットコインでの支払いは100人に1人」とか

 散々飲み食いした後は、「東京銀座シンタニ歯科口腔(こうくう)外科クリニック」(東京・中央)へ。歯石の除去など歯のクリーニングにビットコインが使える。診察台に座ると、超音波の器具で手際よく歯をクリーニングしてくれた。

 「南さん、奥に乳歯が残っていますね」。これまで虫歯が無かったのを理由に、実は歯科医を訪ねたのは数年ぶり。ビットコイン決済の対応よりも、乳歯の存在を確認できた方が個人的には驚きだった。

 【4日目】 どうしてもラーメンが食べたくなる。「タス・ヴェリカード」を使って、ラーメンチェーン「天下一品」へ。将来はビットコイン決済に対応してくれることを願いつつ、完食した。

 【5日目】 ついに迎えた最終日。地下鉄ホームの水飲み場で喉の渇きを潤わせる生活ともおさらばだ。新宿・歌舞伎町にビットコイン対応のカレー店があると聞き、仕事の合間を縫って訪れた。

 だが、店舗に到着するとまさかの閉店。営業している様子は感じられない。仕方がないので、ビックロビックカメラ新宿東口店(東京・新宿)に立ち寄り、お茶とビーフジャーキーを調達。焼き肉からビーフジャーキーまで食生活の落差が激しい1週間となった。

◇  ◇  ◇

 ビットコイン決済に対応した店舗は着実に増えているが、現状では極めて一部だ。交通機関だけでなく、光熱費など生活に欠かせない支払いも対応していない。結局、なんだかんだでタス・ヴェリカードはすべて使い果たした。

 ビットコインを色々なお店で使い続けて初めて気づいたこともある。店舗と取引所の組み合わせによっては、1回の支払いにつき送金手数料0.0005ビットコイン(200円強)が別途かかった。少額の買い物だと手数料負担が目立つ。買い物を繰り返すと、手数料だけで小さくない金額になる。

 ビットコインの価格が上昇している分にはさほど気にならないが、1日で2割ほど急落することもある。次世代の通貨として期待も大きい半面、決済手段として本格的に普及するために乗り越えるべき課題も多いと感じた。

(南毅郎)

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