スターバックスコーヒージャパン(東京都品川区)が、ポイント制度の導入に乗り出した。2017年9月20日から、すべての飲食物を対象とした同社初のポイント制度「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」を開始。ただ1ポイント1円で割り引きに使える大手ポイント会社のポイント制度と異なり、直接的な割り引きには使えない。同社がポイント制度を導入する背景には、割り引きによる顧客の取り込みではなく、「体験」を重視する戦略があった。

新商品を先行購入できる権利も
新たなポイント制度は、専用のプリペイドカード「スターバックス カード」の利用者を対象としたもの。スターバックスカードは、ウェブサイトから入金したり、登録済みのクレジットカードと連携して自動でチャージしたりして商品購入時に支払い手段として利用できる。
スターバックス カードの保有者は、同社の会員制ウェブサイトにカード番号を登録することでポイント制度に参加できる。スターバックス カードを保有していなかったとしても、スマートフォン向けアプリ「スターバックス ジャパン公式アプリ」をダウンロードし、デジタル版のカードを入手することで参加可能だ。
スターバックス カード会員は店舗、またはオンラインストアでスターバックス カードで購入した商品の金額に応じ、50円ごとに独自のポイント「Star」が1つたまる。ただし、マグカップやコーヒーボトルなどは対象外となる。ポイントは直接的な割り引きには使えないが、ためることで新商品を先行購入できる権利を得られるといった特典が受けられる制度となっている。
また、会員登録した当初はたまるStarの色が緑だが、登録から1年以内に250ポイントためると、会員ランクが上がりStarの色が金に変わる。ランクが上がることで、金色のStar会員限定のプレゼントキャンペーンに参加できるなど、より優遇される。さらに金色のStarを150ポイント集めるたびに、700円以内の好きな飲食物やコーヒー豆などと交換できるクーポンを取得できる。
アプリ利用者は180万人に到達
この新しいポイント制度、他社のポイント制度と比較しても、さほど目新しい仕組みはなさそうだ。また、直接的な割り引きには使えないなど、1ポイント1円で割り引きに使える大手ポイント会社のポイント制度に比べると利便性は低いと言える。では、なぜ今ポイント制度を導入するのか。