まだ一部の企業ですが、制約条件のある従業員も働きやすい人事制度や仕事を用意し始めています。サイボウズは、勤務時間を3段階×勤務場所を3段階の9パターンに分類し、選択できる制度を運用しています。ヤフーは週休3日に取り組む準備を始めました。スタートアップ企業では、すべての仕事をリモートワーク(テレワーク)でOKとしているところもあります。

私の職場を含め、雇用形態にかかわらずリモートワークの導入をしている企業も出てきています。私自身も母が実家に一人で暮らしています。先日は実家に戻ってリモート勤務をしました。この原稿も自宅で書いており、リモートワークをとても有効に活用しています。

こうした取り組みは、制約などによりこれまでとは違う働き方を希望する従業員の離職を防ぐとともに、これまでは選択肢が限られていた時間的制約のある人材をも引き付けています。つまり、時間の制約があっても専門性を生かし、磨きながら働き続けることを後押ししているのです。

「ZIP WORK」という働き方

私が働くリクルートグループでは、各社が協力して、短時間で専門性を生かす「ZIP WORK」という働き方ができる仕事を作り始めています。ファイル圧縮形式のZIPになぞらえ、「高度なスキルや専門知識を圧縮し、持ち運んで働く」ことを目指すものです。

ZIP WORKとは:
●時間が限定されている(1日5時間、週3日など)
●専門的な知識やスキルを生かせる
●高い専門性に見合う報酬を得られ、昇給などのキャリアアップの機会がある

手始めにグループ会社の各職場で、人事、労務、社会保険、契約書審査、広報、渉外、企画、PR、調査・分析、個人情報管理などの分野で、専門性を生かして短時間で働ける仕事を作りました。その結果、現在、さまざまな職種・雇用形態で「ZIP WORKER」が誕生しています。

一口に「短時間」といっても、週3日以下、週4日、16時以前の終業など、勤務日・時間も多様です。また、バックグラウンドも、育児、ダブルワーク、起業準備、趣味など多岐にわたります。こうした動きはリクルートグループに限らず、数十社の企業で始まっています。

(1)専門性を生かして長時間で働く
(2)専門性を捨てて短時間で働く

に加えて、第三の選択肢

(3)専門性を生かして短時間で働く

が広がっていくことを期待します。

あなたの会社は、「ZIP WORKER」的な働き方ができそうですか? また、転職や再就職の際は、「ZIP WORK」のような働き方が存在するか?を確認してみてはいかがでしょうか。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は10月20日の予定です。連載は3人が交代で執筆します。

中尾隆一郎
リクルートワークス研究所副所長・主幹研究員。リクルートで営業部門、企画部門等の責任者を歴任、リクルートテクノロジーズ社長などを経て現職。著書に「転職できる営業マンには理由がある」(東洋経済新報社)、「リクルート流仕事ができる人の原理原則」(全日出版)など。

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