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ランチ行列もう不要 持ち帰り「事前注文アプリ」点検

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日経トレンディネット

待ち時間なし、店舗に行くのに財布も不要で、人気飲食店を利用できる。スマートフォン(スマホ)向けアプリを活用して、そんなサービスを提供する飲食店が増えている。テークアウト中心に展開され、利用者からも貴重なランチタイムを有効に利用できると好評のサービスだが、外食産業が悩む人手不足対策としても有効だった。

人気店でも行列に並ばず

仕事の合間にデスクで昼食を取ろうと、テークアウトを目的にファストフード店に行ったのに、注文の行列ができていて、待ち時間だけで10分以上もたってしまった。人気の飲食店に行こうと思ったものの、店舗の行列を見てうんざりして断念した――。

こんな経験を持つ人は、少なくないだろう。行列は、すなわち人気店の印となる半面、待ち時間が長引くことでフラストレーションがたまる。そこで、このフラストレーションを解消すべく、好きなときに商品を注文して、調理が完了したらスマホに通知が届いて並ぶことなく商品を受け取れる。そうした事前注文の機能を持つアプリを提供する飲食店が増えている。

サラダ専門店「クリスプ・サラダワークス」を東京都内に5店舗展開するクリスプ(東京都港区)も、アプリを通じた事前注文サービスを提供する一社。同社は2017年7月16日に、事前注文の機能を主軸としたスマホアプリ「CRISP」の提供を始めた。提供開始から2カ月程度だが、すでにアプリ経由で毎日50件以上の注文が寄せられるなど、売り上げの底上げに効力を発揮している。

1人当たりの注文時間を短縮

クリスプ・サラダワークスは、カスタムサラダを売りにしたサラダ専門店。ロメインレタスやホウレンソウといったメインの食材を選び、そこにブロッコリー、トマト、トウモロコシ、ハム、焼いたチキン、チーズなどを自由にトッピングした自分好みのサラダを注文できる。コンセプトは「お腹いっぱい食べられるサラダ専門店」だ。「カスタマイズ次第で、男性でも満足できる量を食べられる。それでいて、ラーメンよりはヘルシー。そんなサラダ専門店を目指している」とクリスプの宮野浩史社長は説明する。

同社の店舗は、売り上げの半分をテークアウトが占める。恵比寿や六本木など、オフィス街が近い立地の店舗が多いため、昼どきは仕事の合間に買ってオフィスで食べるといった需要が高い。ところが、混雑時には行列ができるうえに、カスタムサラダという商品の性質上、1人当たりの注文時間が長引いてしまい、結果的に「来店者を会計まで30分近く待たせてしまうこともある」(宮野氏)。せっかく店まで足を運んでくれても、この混雑状況を目にして「今日はやめておこう」と思われては機会損失になる。注文する側も、自分の後ろに人を待たせていることを意識した状態では、ゆっくりトッピングを選ぶこともできないだろう。

この課題を解決するためにクリスプは、利用者がスマホアプリでいつでも好きな時間にサラダを注文でき、調理の完了後は並ばずに商品を受け取れるサービスを開発した。

アプリ経由なら24時間注文可能

利用するにはまずクリスプのアプリをダウンロードし、会員登録をする。会員登録後は、商品を受け取る店舗を選び、受け取り希望時間を設定する。「最短の時間」を選んだ場合には、店の混雑状況によって受取時間が増減する。来店前の事前注文だけでなく、24時間いつでも予約注文を受け付けているのも特徴だ。前日に注文をしておけば、仕事中に注文の時間を取られることもない。

次に商品の選択だ。パッケージ化された商品を選ぶか、またはカスタムサラダのメニューから、メインの食材やトッピングを自分好みに選んで注文する。決済はクレジットカードのみ。「現金決済に対応すると、支払いのために結局レジに並んでもらうことになる。これでは事前注文の利便性を生かせない」(宮野氏)と判断。あえて決済手段をクレジットカードのみに絞っている。

注文後は、調理が完了するとそのことを伝える通知がスマホに届く。この注文者の手元にダイレクトに通知が届く「プッシュ通知」はアプリならでは。「LINE」などの台頭により、コミュニケーションツールとしてのメールの存在感が失われている昨今、メールで調理完了を通知していては気づかれない可能性がある。同社はそうしたコミュニケーションのすれ違いを防ぐうえで、ブラウザーで利用するウェブサービスよりも、アプリが適切と判断したそうだ。

ヘビーユーザーほど便利に

注文者は通知を受け取ったら、店舗を訪れ、受け取り専用棚に置かれた商品の中から、自分の注文番号が書かれた商品をセルフサービスで持ち帰る。これにより、レジに行列ができていても、並ぶことなく商品を受け取れる。

さらに、クリスプ・サラダワークスのヘビーユーザーであれば、料理の提供時間が短縮されるなどの優遇を受けられる。同店では注文回数ごとに4段階で会員のランクが上がる。その会員ランクに応じて、アプリから注文をした場合に調理の順番が優先されるため、最大で20分以上、料理の提供までの時間が短縮されるのだ。

また、アプリから何度も注文をすることで、注文完了までのステップが短縮される。アプリのトップ画面のハートのアイコンをタップすると、よく頼む商品がアプリ上で自動的に推薦されるようになる。これを選んだ場合、メニューから商品を選ぶ必要がなくなるため、「わずか2タップで注文が完了する」(宮野氏)。使えば使うほど、さらに便利になる機能で顧客の囲い込みを狙う。

アプリを活用した事前注文は、大手飲食チェーンでも始まっている。ハンバーガーチェーン「ファーストキッチン」を展開するファーストキッチンは8月28日から、ウェンディーズとのコラボレーション店舗「ファーストキッチン・ウェンディーズ」の東京・渋谷店と東京・赤坂見附店の2店舗でアプリ経由の事前注文サービスを始めた。

同社も並ぶことのフラストレーションの解消と、注文件数の増加が事前注文サービスを導入した主な狙いだ。赤坂見附店では昼どきともなれば、最大で15人近くの行列ができる。ファストフードという業態でありながら、待ち時間は10分近くなることもある。ただし、事前注文の需要の規模を把握せずにいきなり全店導入することはリスクが高い。そこで、行列ができやすい都心の店舗で試験導入をし、効果を検証することにしたという。

早くも売り上げを3%押し上げ

ファーストキッチン・ウェンディーズの事前注文サービスは、Showcase Gig(東京都港区)が提供するアプリ「O:der」で利用できる。O:derは、サービスに参加する飲食店のスタンプカードを一括で管理したり、事前注文したりできるサービス。現時点では34店が参加している。このサービスにファーストキッチン・ウェンディーズの2店舗が加わった。既存の仕組みを活用することで、開発コストを抑えながら、需要を検証できると判断した。

注文方法は、まずO:derのアプリからファーストキッチン・ウェンディーズの店舗をタップする。次にメニューの一覧から好きなセットメニューや「ハンバーガー」「生パスタ」といった商品カテゴリーを選ぶ。続いてセット内容や、注文したい商品を指定していく。例えば、「ポテトセット」であれば、ハンバーガーの種類、セットポテトの味、セットドリンクの種類などを選んでカートに追加する。あとは、アプリに登録したクレジットカードで決済をすれば注文完了だ。調理の完了後はアプリの通知が届く。通知を受け取ったら、店舗の受け取り専用口で注文画面を店員に見せて商品を受け取る。

ただ、導入後には新たな課題が浮き彫りになった。「開発時はテークアウトでの利用を想定していた」(ファーストキッチン マーケティング部の高関類部長代行)ものの、ふたを開けてみれば、想定以上のアプリ利用者が店舗で食事をしていることが分かった。そこで、今後は注文時にテークアウトとイートインを選べるようにするという。イートインで利用する場合には、店内でまず席を確保してもらい、席から注文するといった利用法を想定している。

このような新たな施策に前向きな理由は、数字としても売り上げ増加が期待できることが分かったからだ。「開始からわずか2週間程度で、日によっては3%ほどの売り上げ増加に貢献している」(ファーストキッチンの高関氏)。このことから、当初は10月末までの期間限定の提供を想定していたが、期間の延長を決めたうえ、試験提供の範囲をショッピングセンター内の店舗へとさらに広げる方針だ。

「架空のレジが増えたようなもの」

事前注文アプリは、外食産業にとって頭痛の種となっている人手不足への対応策としても期待が高い。

ファーストキッチンは業界最大手の日本マクドナルドに比べれば、店舗のアルバイトの数が大幅に少ないという。そのため、いかに効率的に注文をさばけるかどうかが重要になる。スマホアプリを活用した事前注文は「架空のレジが増えたようなもの」と高関氏は言う。

レジの店員が少ない店舗でも、アプリ経由で注文を受け付ければ、より多くの顧客の注文に対応できる。事前注文サービスが日本でも定着すれば、来店客と店舗、双方にとって大きなメリットにつながりそうだ。

(文 中村勇介=日経トレンディネット)

[日経トレンディネット 2017年9月15日付の記事を再構成]

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