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寿司くん SNSでバズるには「努力が見える」のも大事 ミュージシャン&映像作家 寿司くんインタビュー

日経エンタテインメント!

2017/11/23

「カメラ目線で歩きながら歌う」などミュージックビデオでありがちな演出を歌った岡崎体育の『MUSIC VIDEO』。2016年4月にYouTubeにアップされ、再生回数は2500万回を超える人気作に。17年3月には文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門新人賞を受賞した。監督を務めたのは映像作家の寿司くん。3人組ロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんのメンバー、こやまたくやの別名義でもある。バズる(SNSなどで情報が拡散する)には、作り手の「努力が見える」ことも大事と言う寿司くん。ミュージックビデオへの思い入れを語ってくれた。

1992年生まれ、京都府出身。高校時代から映像制作を始め、大阪芸術大学の映像学科在学時にはコントからアニメまで様々な作品を撮影。2012年に3人組ロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんを結成。

「大学で映像を学んでいて自分の名前と同じ『寿司くん』というギャグアニメをYouTubeに上げていました。するとそれを見た岡崎さんから『自分の作品を撮ってほしい』と連絡が来たんです。会って話してみたら地元が同じ京都の宇治市で、卒業した中学まで一緒。一気に意気投合しました。

岡崎さんの作品は約10本ほど手掛けていますが、曲の歌詞が脚本のようになっているので、ドラマを撮っている感覚に近いですね。『MUSIC VIDEO』は、僕と岡崎さん、岡崎さんのマネジャーの3人で4日間かけて京都や滋賀で撮りました。移動手段は岡崎さんの運転する車で、その間に僕が車内で映像編集するみたいな手作り感満載な感じです」

『MUSIC VIDEO』では、深夜にテレビを空き地に運んで撮影
『感情のピクセル』の動物の着ぐるみシーンはいじめが裏テーマ

「思い入れがあるのは、『アナログテレビ何台か並べて砂嵐流しとく』という歌詞のシーン。僕の家の隣の空き地に夜中にテレビを運び出し、電源は延長コードで家から引っ張ってきました(笑)。この作品は手間がかかっていることが伝わりやすいので、見てもらえれば必ずバズる、と僕も岡崎さんも思っていました。ネットの反響も予想以上にポジティブで、『努力が見える』ことも大事なんだと改めて学びました。

(17年上半期のYouTube国内音楽動画ランキング33位の)『感情のピクセル』は、『バンドが倉庫でカッコよく演奏しているイメージ』と岡崎さんからリクエストを受けたので、長野の廃工場にまで撮影に行きました。ただサビの部分では歌詞にもある通り、着ぐるみの動物がいっぱい出てくるファンシーな映像にしてギャップを出しました」

■メンバードッキリで撮影

「自分のバンド、ヤバイTシャツ屋さんのミュージックビデオでは、他人の作品では怖くてできない試みをやっています。『ヤバみ』では劇中の自分のセリフをボーカルと重ねまくっていますしね。『無線LANばり便利』では僕の自宅で寝ていたメンバーを無理やり起こして、ドッキリで撮影。最後に自宅のWi‐Fiのパスワード(本物)を公開するというオチで、今でもパスワードは変えてないので家バレするとヤバイです(笑)。

今後、自分がお金を使った作品を撮ったらどうなるか楽しみです。でも、やっぱり無駄な使い方がしたいですね。気がついたら、僕がエディ・マーフィーに変わっているとか(笑)。彼の出演料にほぼ全額の予算を投入してみたいです」

1stアルバムに収録する『無線LANばり便利』 では、こやま(寿司くん)の自宅で寝落ちしていた メンバー2人を起こしてドッキリで撮影
ヤバいTシャツ屋さんの新作は、 ヤバT流結婚ソング『ハッピーウ ェディング前ソング』など4曲を収録(ユニバーサル/1100円)

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2017年10月号の記事を再構成]

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