秋の乾燥肌をレスキュー しっとり美人の湯ならここ
キレイになれる温泉の秘密
急に冷え込んできて、気が付けば秋の風。夏の冷房や紫外線による肌ダメージが時間差で表れてくるころです。カサカサに乾いて、いつものスキンケアをしても潤いが入っていかない。そんな秋の乾燥肌を抱えてしまったら、温泉でレスキューです。温かな湯けむりが立ち上る温泉でしっとりぽかぽかになりましょう。
目指したい泉質は「硫酸塩泉」です。温泉は自然のものなので、様々な成分が複合的に入っていることもあります。泉質は「主成分」と「副成分」の組み合わせで書かれているので、宿や温泉施設のウェブサイトなどでチェックしてみましょう。泉質表示の中に「硫酸塩泉」が含まれていたら、水分補給して潤いをサポートしてくれる、乾燥対策におすすめの温泉です。
箱根温泉郷の「しっとり湯」
とにかく今すぐ、肌に潤いがほしい。それなら、首都圏のそばにも硫酸塩泉の温泉があります。例えば、箱根温泉郷。ここは箱根十七湯といって17の温泉地が集まっており、多様な温泉に出合えるので、お悩み別に使い分けるにはとても便利です。強羅、仙石原エリアの多くの宿が湯を引いている源泉が「大涌谷温泉」。泉質は酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(強羅エリアの場合)です。肌を活性化して、潤いを補給します。
ケーブルカーで強羅駅の次、公園下駅の近くにある登録有形文化財の宿「箱根太陽山荘」。日帰り入浴ができるのは午前11時~午後3時ごろと限られた時間帯ですが、毎日完全に湯を抜いて新しい温泉を注いでいる源泉かけ流しの温泉です。民営の国民宿舎なので、料金もリーズナブル。2人利用からの受け付けですが、平日1泊2食付きで税別8000円、休前日税別1万円と、エステに行くような感覚で通ってしまいそうです。
からっ風に負けない群馬の「美人の湯」2選
東京駅からの高速バスと宿泊がセットになったプランが人気の群馬県・四万(しま)温泉。このプランならバスに飛び乗るだけで温泉へ直行です。四万温泉の泉質は「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉」。潤いを補給した肌の上を塩のベールが保護してくれるので、湯上がり後もしっとりぽかぽかが持続します。
四万温泉には42本の源泉があり、そのうち39本が自然湧出。つまり自然の力だけでこんこんと湧いている温泉なのです。「四万やまぐち館」には、6本の自家源泉があり、すべて宿の下から自然湧出しています。ここの露天風呂はとにかく大きさ・深さがけた違い。広い露天風呂ですが、毎日完全にお湯を抜いて新しい源泉を注ぎ込みます。たっぷり注がれる新鮮な源泉かけ流しのお湯は透明でやわらかな肌ざわり。天然の化粧水に包み込まれるような心地よさです。
石段の温泉街が楽しい群馬県・伊香保温泉の泉質は「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉」。鉄分を含有し、黄金色の濁り湯になっていくことから「黄金の湯」というご利益がありそうな名前で呼ばれています。しっとり潤う硫酸塩泉、肌すべすべの炭酸水素塩泉、潤いベールの塩化物泉の「トリプル配合」ですから、肌はしっとりすべすべ、体の芯まで温まります。
ひとりでふらりと滞在するなら、シングルルームが充実している「洋風旅館ぴのん」。温泉街とはがらりとムードが違う、ヨーロッパアンティーク家具のロビーが迎えてくれます。レストランでは優雅にフランス料理がいただけて、平日利用1泊2食で1万円から。姉妹館の「ホテル松本楼」の大浴場にも入れます。
伊香保でぜひ、立ち寄りたいのが段々豆腐の店「豆腐茶房だんだん」。おからを出さずに大豆を丸ごと使った豆腐と地場野菜中心のおまかせランチで、肌に大豆パワーを届けましょう。
温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト。日本の温泉・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅の研究家。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。
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