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証券各社、米国株に注目 手数料下げなどサービス競う 情報提供も充実

2017/10/10

 個人投資家の間で米国株人気が高まっていると聞きました。注目銘柄について教えてください。証券会社の米国株サービスも気になります。

◇  ◇  ◇

 米国株に個人投資家の注目が集まっている。野村証券の9月の売買代金は前年比3割増。10年前比で10倍の規模だ。楽天証券では全体の株式売買の1割弱を米国株が占めている。

■NYダウ、年初来の上昇率15%

 実際にダウ工業株30種平均は上昇傾向が鮮明だ。5日時点の年初来上昇率は約15%。トランプ政権の経済改革に対する期待が背景にある。中でも個人投資家が注目するのは、「ITや自動運転など革新性の高い技術を持ち、世界市場シェアの高い銘柄群」(楽天証券)だという。

 最近は決済大手のペイパル・ホールディングスやモバイル決済のスクエアなど、フィンテック銘柄の注目度も高い。大手金融株や資源株に資金が流入した10年前に比べ、最近は「個別銘柄の成長シナリオを想定して買うケースが多い」(野村証券)。

 ネット証券で9月に人気を集めたナスダック上場銘柄の株価動向をグラフに示した。自動運転車用の半導体を開発するエヌビディア、電気自動車メーカーのテスラはそれぞれ67%、60%の上昇率(9月末時点)。アップルやアルファベット(傘下にグーグル)、アマゾン・ドット・コムもそれぞれ2~3割の上昇率を示す。

■米国株専用アプリも

 高まる個人の米国株人気を受け、証券各社は投資家向けサービスの向上にしのぎを削る。楽天証券は9月25日、手数料を売買代金の原則0.486%に引き下げた。競合するSBI証券、マネックス証券の3社が横並びになった格好だ。

 情報提供体制も強化する。楽天証券では米投資情報誌バロンズの日本語版を利用者向けに配信。マネックス証券は3月、米国株取引専用アプリの提供を始めたほか、個別銘柄のデータを四半期ごとに配信する。SBI証券は決算速報や銘柄スクリーニングのサービスが強みだ。

 大手証券も力を入れる。大和証券は9月、ウェブサイトで米国株の銘柄検索を誰でもできるようにした。野村証券は海外拠点にいるアナリストを生かし、注目銘柄の株価評価や財務情報を冊子で紹介している。

■売り時の見極めも必要

 米国株投資をする際は、個別銘柄の業績と為替変動には十分注意したい。個別の米国株投資は高リスク商品。あくまで余裕資金運用の一部にとどめるというのが、一般的な考え方だ。

 銘柄によっては既に割高になっている可能性がある。エヌビディアのPER(株価収益率)は約50倍。成長株を買うなら、売り時の見極めも重要になる。海の向こうの銘柄ならばなおさら見極めが必要だ。

[日本経済新聞朝刊2017年10月7日付]

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