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書きやすさ追求 写真で見るキャンパスノートの進化

納富廉邦のステーショナリー進化形

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学習用ノートのスタンダードとして、広く一般に認識されているコクヨの「キャンパスノート」。最近は、学生だけでなく、ビジネスユーザーも多いという。現在のモデルは第5世代。その都度、表紙デザインも変わっているので、世代によって記憶しているデザインも異なるはず。だが変わったのはデザインだけではない。新旧のモデルを比較すると、ノートに求められる役割の変化や広がりが見えてくる。長年文具を取材し続ける納富廉邦氏が、筆記具(「消耗品から『高級実用品』へ ボールペン、進化の秘密」)、ペンケース(「立つペンケース、大人も支持 働き方の変化で機能進化」)に続き、ノートの進化を解説する。

ルーツには2種類のノート

キャンパスノートの発売は1975年。しかし、コクヨのノートの歴史は、その16年前、59年にコクヨが独自に開発した「無線とじ」製本によるノートを発売したときから始まる。当時、主流だった糸とじノートは、フラットに開かない、片ページが破れるともう片側のページが一緒に破れてしまうなどの欠点があった。これらの問題を解消した無線とじのノートの誕生が、今のキャンパスノートにつながっているのだ。

発売後も改良が続けられ、特にのりの粘着力のバランスについて細かい調整が行われていく。無線とじのノートは、粘着力が強過ぎると開きが悪くなるし、弱過ぎるとバラバラになってしまう。そののり付けの工程は社外秘になっていて、工場見学などでも、その部分だけは今でも見せないのだそうだ。

もう一つ、キャンパスノートにつながる流れが65年発売の「意匠ノート」。こちらはリングノートだが、表紙にさまざまな意匠(デザイン)をあしらっていた。その中に、欧米の有名大学のキャンパス風景の写真を表紙にした「世界の学府ノート」という製品があった。当時、アイビーファッションが流行していたこともあり、これが大学生を中心に大ヒットする。

そして、最初の無線とじノートの発売から16年後、大ヒットした「世界の学府ノート」のイメージを借りて、「キャンパスノート」と名付けられた無線とじノートが発売される。

現在、ノート市場全体でのコクヨのシェアは約30%、この数字はキャンパスノートだけではないが、キャンパスノートだけでも年間1億冊以上出荷しているという。認知度の高さは実用ノートのジャンルでも最大級といってもいいだろう。

最後のページまで使えるような工夫も

キャンパスノートがロングセラーを続けているのは、時代や技術の進歩に合わせて細かくリニューアルしているからだ。これまでに大きなリニューアルは4回。現在の製品は5代目ということになる。

 ノートは簡単に言えば「表紙」と「中紙」と「背クロス」の3つの部品の組み合わせでできている。価値を左右する要素も、大きく分けて、「とじ方」「材料品質」「罫(けい)線」「サイズ」「デザイン」「価格」の6つしかない。それらの要素を細かく吟味しながら、キャンパスノートは進化してきた。

最初のキャンパスノートは75年、「無線とじ」と「低価格」で学生に向けて発売した。学習用ノートとして後発だったこともあり、発売後、すぐに大ヒットしたのではなく、じわじわと認知が広がるのにつれて売れ行きを伸ばしていったそうだ。

最初の大きなリニューアルが行われたのは、発売から8年後の83年。表紙の役割を重視して、ひと目でA罫(7ミリ)なのかB罫(6ミリ)なのか分かるように大きく文字で表示。罫線イメージも表紙に大胆に表示した。表紙を見れば、ノートの機能が分かるクールなデザインだ。「Campus」と書かれたロゴも、ここでリニューアルしている。

次のリニューアルは8年後の91年。このときは、表紙の機能はそのままに、大きくデザインを変更した。左側を帯状に塗ってロゴを縦に配置したデザインは、当時、とても斬新に映ったのを覚えている。

4代目が登場したのは2000年。市場ではノートの低価格化が進む中、材質にこだわり、最後のページまでハードに使っても破れにくい背クロスを開発。タフに使える信頼性の高いノートになった。

鉛筆向きの紙から筆記具を選ばない紙へ

40年を超える歴史の中で、最も大きなリニューアルとなったのが、11年、現在も販売されている5代目のキャンパスノートだ。

まず、背クロスの強度はそのままに、背表紙に文字が書けるように表面加工を施した。表紙には名前やタイトルを書く欄を用意。中紙も線が引きやすい目印を付けた新しいケイ線をデザインにリニューアルした。

注目すべきは紙の変更だろう。キャンパスノートでは、これまで学生向けに鉛筆やシャープペンシルでの筆記に適したものを使っていた。しかし、このリニューアルで筆記具を選ばない紙に変更したのだ。これはビジネスユーザーなどにも広く使われている状況を受けてのものだという。キャンパスノートを知的活動のツールとして位置づけたリニューアルを行ったのだ。

大人向けのキャンパスノートも登場

キャンパスノートはバリエーションも増やしている。

ビジネスユーザーの増加を受け、16年に発売されたのが「大人キャンパス」シリーズ。ビジネスユーザーが自分で文具を選ぶ時代に合わせて、自由度が高い方眼罫にしたり、パソコンでのプレゼン資料との相性の良いA4横使いの製品を用意したりと、より広い層に向けての商品展開も始まっている。

学生向けのキャンパスノートも進化している。17年には、学生の荷物が重くなっているところに目を向けた「スマートキャンパス」も登場。ページ数も書き味も変えずにノート自体を薄く、軽くするという画期的な製品だった。他にも、配られたプリントを一緒に保管できるノートカバーがついたタイプや、理系用や文系用に分けて異なる罫線を用意した「学習罫キャンパスノート」など、ニーズに合わせた製品が開発、発売されている。

現行商品だけで約300品目あるというキャンパスノート。じっくりと使ってみれば、現在の日本のノート文化を俯瞰(ふかん)できるといってよいだろう。

(フリーライター 納富廉邦)

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