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書きやすさ追求 写真で見るキャンパスノートの進化 納富廉邦のステーショナリー進化形

2017/10/13

学習用ノートの代名詞ともいえるコクヨの「キャンパスノート」。現在販売されているのは第5世代になる

 学習用ノートのスタンダードとして、広く一般に認識されているコクヨの「キャンパスノート」。最近は、学生だけでなく、ビジネスユーザーも多いという。現在のモデルは第5世代。その都度、表紙デザインも変わっているので、世代によって記憶しているデザインも異なるはず。だが変わったのはデザインだけではない。新旧のモデルを比較すると、ノートに求められる役割の変化や広がりが見えてくる。長年文具を取材し続ける納富廉邦氏が、筆記具(「消耗品から『高級実用品』へ ボールペン、進化の秘密」)、ペンケース(「立つペンケース、大人も支持 働き方の変化で機能進化」)に続き、ノートの進化を解説する。

■ルーツには2種類のノート

 キャンパスノートの発売は1975年。しかし、コクヨのノートの歴史は、その16年前、59年にコクヨが独自に開発した「無線とじ」製本によるノートを発売したときから始まる。当時、主流だった糸とじノートは、フラットに開かない、片ページが破れるともう片側のページが一緒に破れてしまうなどの欠点があった。これらの問題を解消した無線とじのノートの誕生が、今のキャンパスノートにつながっているのだ。

写真上:コクヨの初期の無線とじノート「S30」。写真下:1965年、表紙に様々なテーマによるデザインを施した「意匠ノート」を発売。その中の有名大学のキャンパスの写真を使った「世界の学府ノート」が大ヒットした(写真一番右は、そのコロンビア大学編)

 発売後も改良が続けられ、特にのりの粘着力のバランスについて細かい調整が行われていく。無線とじのノートは、粘着力が強過ぎると開きが悪くなるし、弱過ぎるとバラバラになってしまう。そののり付けの工程は社外秘になっていて、工場見学などでも、その部分だけは今でも見せないのだそうだ。

 もう一つ、キャンパスノートにつながる流れが65年発売の「意匠ノート」。こちらはリングノートだが、表紙にさまざまな意匠(デザイン)をあしらっていた。その中に、欧米の有名大学のキャンパス風景の写真を表紙にした「世界の学府ノート」という製品があった。当時、アイビーファッションが流行していたこともあり、これが大学生を中心に大ヒットする。

 そして、最初の無線とじノートの発売から16年後、大ヒットした「世界の学府ノート」のイメージを借りて、「キャンパスノート」と名付けられた無線とじノートが発売される。

 現在、ノート市場全体でのコクヨのシェアは約30%、この数字はキャンパスノートだけではないが、キャンパスノートだけでも年間1億冊以上出荷しているという。認知度の高さは実用ノートのジャンルでも最大級といってもいいだろう。

■最後のページまで使えるような工夫も

 キャンパスノートがロングセラーを続けているのは、時代や技術の進歩に合わせて細かくリニューアルしているからだ。これまでに大きなリニューアルは4回。現在の製品は5代目ということになる。

初代から現在までの歴代キャンパスノートを並べてみた。こうして見ると、かなり変化している。世代によって思い入れがある表紙も違うだろう

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