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酒にも飯にもポテトサラダ みんなが好きな理由とは?

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NIKKEI STYLE

居酒屋に行くと「とりあえずのビール」とともにポテトサラダを注文する酒飲みは多い。特に初めて行く店であればその確率は高まる。いわく「ポテサラのうまい店はほかの料理もたいていうまい」。

ポテトサラダはその名のとおりジャガイモをメインとしたサラダ。具材や味付け、国によってもさまざまなバリエーションがあるが、日本の昔ながらのポテトサラダはゆでたジャガイモを軽くつぶして、ニンジンやキュウリ、タマネギ、ハムなどとともにマヨネーズで和えたもの。

この主原料のニンジン、ジャガイモ、キュウリ、タマネギを並べると「1010」に見えることなどから、10月10日は「ポテトサラダの日」だそうである。

ポテトサラダは単純そうに見えて、実は手間ひまがかかる。教科書通りにつくるならば、まず、ジャガイモは水からゆでるので時間がかかる。うまみや栄養素が流出しないよう皮つきのままゆで、熱いうちに皮をむかねばならない(火傷しないように水で指先を冷やしながら作業。それでも、けっこうツラい)。キュウリは塩もみ、ニンジンはゆでる、タマネギは薄くスライスして辛味をなくすために水にさらすなど、野菜の下ごしらえがそれぞれに違う。

つまり、ポテサラがうまいということは仕事が丁寧な証ということなのだろう。

酒飲みだけでなく、子どももポテサラが大好きだ。野菜が嫌いで生野菜サラダは食べないけど、ポテトサラダなら喜んで食べるという子どもも多い。あのクリーミーな味つけが子どもにウケるのだろう。

母親たちはポテサラにいろんな野菜をこっそり混ぜ込んで子どもの野菜嫌いを解消したものだ。そもそも熱いジャガイモの皮をむくなんて作業は愛情がないとできない(あるいは飲食店のようにカネがからまないと!)。ポテサラは母の愛情の証でもある。もはや肉ジャガやカレーに並ぶ「おふくろの味」といってよいのではないか。酒飲みが居酒屋でついついポテサラを頼んでしまうのは「おふくろの味」やノスタルジーを求めているところもある。

家庭や外食だけでなく、中食(惣菜や弁当など調味済みの食品を家庭などで食べること)でもポテサラは不動の人気だ。スーパーマーケット、デパ地下、コンビニでもポテサラを置いていない店はない。コンビニではポテサラ入りのサンドイッチも定番だ。

惣菜の製造・販売を手がけるデリア食品株式会社が2016年に調査した結果によると、「ポテトサラダは好きですか?」の質問に「はい」答えた人は96パーセント。ポテトサラダを食べる頻度では、「毎日」と答えた人が1パーセント、「週に2~3回程度」とが10パーセント、「週に1回程度」が22パーセント、「月に数回」が29パーセントと約6割が月に2回以上は食べているという結果に。

作ったり買ったり飲食店でオーダーしたりと自主的に食べようと思わなくても、弁当や定食のつけあわせ、居酒屋のつきだしとしてもよく使われる。ビジネスホテルの朝食でもおなじみだ。

タバコを吸わなくてもまわりの人が吸っていることで知らず知らずのうちに煙を吸ってしまうことを「受動喫煙」というが、食べようと思わなくてもいつの間にか食べている「受動ポテサラ」も多い。受動喫煙は迷惑だが、受動ポテサラはちょっとうれしい。

自分で買ったり作ったりしていないから記憶にあまり残っていないだけで、受動ポテサラを含めると「6割が月に2回以上」どころかもっと食べているんじゃないか。

なぜ、ポテサラはつけあわせやつきだしに使われるのか。それは「みんなが好きだから」にほかならないのだが、和にも洋にも合うということも理由に挙げられよう。スパゲティナポリタンやハンバーグのような洋食のつけあわせになるかと思えば、豚肉のショウガ焼きなど和のおかずにも添えられている。

居酒屋の定番メニューであることからもわかるようにビールにも焼酎にも日本酒にも合う。カジュアルなワインのつまみにもなる。つまりは万能選手なのだ。

「サラダ」であるから「洋」に合うのはもちろんのこと「和」にも合うその秘密はどうやらマヨネーズにありそうだ。

マヨネーズの市場で圧倒的シェアを誇るキユーピー株式会社の広報部によれば「マヨネーズには『卵黄タイプ』と『全卵タイプ』がありますが、キユーピーマヨネーズは発売以来、卵黄タイプにこだわってきました。卵黄タイプはこっくりとした味なので、日本人が長年親しんだみそやしょうゆのように『ご飯に合う味』をつくり出しているのだと思います。日本人の口に合う日本のマヨネーズだからこそ『おかずになるポテトサラダ』が生まれたのでしょう」とのこと。

マヨネーズの主原料は卵と酢と油で、その名のとおり卵黄だけを使うのが「卵黄タイプ」、卵白も一緒に入れるのが「全卵タイプ」だ。

我が家は夫の仕事の関係で海外駐在が多いのだが、その際にはみそ、しょうゆとともに日本のマヨネーズを持参している。マヨネーズは海外でも容易に手に入るが、海外のものはコクや酸味が少なくて日本の慣れ親しんだ味とはまったく違うからだ(あと広口のビンに入っていてどうも使い勝手が悪い)。どうやら海外のマヨネーズは「全卵タイプ」が主流のようである。

「ご飯に合うポテサラ」「おかずになるポテサラ」だから、当然日本酒にも焼酎にも合うというわけだ。

キユーピーは「創始者・中島菫一郎が大正時代に海外に渡航した際にアメリカで食べたポテトサラダをキッカケにマヨネーズに着目、マヨネーズの製造販売を志すようになった」(キユーピー株式会社広報部)という歴史がある。当然、ポテトサラダに関する造詣も深いということで、おいしくつくるためのポイントを聞いてみた。

ポテトサラダをおいしくつくるポイントを挙げると……。

(1)素材総重量とマヨネーズの「黄金比」は10:2

(2)ジャガイモは熱いうちマッシュする

(3)ジャガイモの粗熱がとれてからマヨネーズと混ぜる

(1)はマヨネーズを除いた材料の総重量の2割の量のマヨネーズを入れるのがいちばんおいしいとのこと。

(2)は、ジャガイモのでんぷん質を包む「ペクチン層」は熱いうちは弾力があるため、でんぷん質の粒が壊れずにホクホクとした食感になるから。冷めてからつぶすと、でんぷん質を守ってくれているペクチン層が壊れ、でんぷん質が流出、もちのような食感になってしまうそうな。

うーん、まさに料理は化学!

(3)は具体的には50~60度。ジャガイモの上に手をかざしてほんのりと温かさを感じる程度とか。熱いうちにマヨネーズとまぜると分離してしまうので注意。

「ほかに、おいしくつくるコツとしては『いもの種類』にこだわる人も多いですよ」とのアドバイスも。

男爵はホクホクとした食感とジャガイモらしい香りが特徴なので、ホクホク感と風味が残るようにゴロゴロと大きめにつぶす。メークイーンはなめらかな食感なので、舌ざわりがいいように細かめにつぶすのがポイントとか。

なるほど。「ポテサラのうまい店はほかの料理もうまい」というのは、素材ごとの特徴をよく知って、その素材を活かす調理方法をちゃんと心得ているということなのかもしれない。

また、ベーシックな形があるからこそ、トッピングによって個性が出せるのもポテサラの魅力だ。私のお気に入りは細かく刻んだ「いぶりがっこ」を入れたもの。しば漬けやわさび漬けなど漬け物はたいていポテサラに合う。燻製卵など燻製類もこれまたポテサラと好相性。このどっちもの部類に属する「いぶりがっこ入りポテサラ」は最高の酒の肴となる。

ちなみに現在私が滞在しているペルーはジャガイモの原産国といわれ、ジャガイモ料理も豊富。「カウサ」というポテトサラダがある。こちらはゆでたジャガイモをなめらかにマッシュして、オリーブオイルとレモン、塩で味付けし、魚介や野菜、ゆで卵、オリーブなどをトッピングしたもの。

黄色みが強いジャガイモを使っていること、また、混ぜるのでなくケーキのように美しく重ねてあることが多いので、「インスタ映え」する。こちらはホームパーティーなどでウケそう。

さて、今晩はどんなポテサラをつまみに酒を飲もうか?

(ライター 柏木珠希)

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