意外に多い「運動会の日も給食」 ミカンやバナナ付き
秋の運動会の食べ物(3)
先週の土曜日、近くの中学校の運動会(体育祭)があった。実態はどうみても運動会なのだが学校も生徒も「体育祭だ」と言い張るのでかっこ書きしておく。
本部席など以外にはテントはなく、子どもたちは自分の椅子をグラウンドに並べて応援する。お昼になると教室に戻って弁当を食べるのだが、弁当は手に持てるので多分座って食べたのだろう。
見物に来た家族の大半が立ち見であった。テントもないところに長時間座っていたら紫外線にやられてしまう。そこで親たちはビデオやカメラでわが子を追いかけるとき以外は、日差しを避けて木の下などにたたずんでいる。
もっとも観察しているとお母さんたちの多くが「あらまあ」とか「ひさしぶりー」といった言葉を合図に、いつ果てるとも知れないおしゃべりに夢中になってしまうので、日差しもへったくれもない様子であった。
運動会の昼食が給食だったという人々が次々に名乗り出てきた。こんなに多いの?
余談ですが、全校生徒1200人が一斉に椅子を運ぶので、足を引きずったりぶつけたりするのが、すごくうるさかったです。あ~、なつかしい。
運動会の日の給食には必ず青いみかんor冷凍みかんがついてました。おかずはクジラのノルウェー煮だった気がします(大阪人あや@静岡さん)
ちなみに家族の見物もありませんでした。不審者がまぎれて入ってくるから、という理由はいかにも京都らしいでしょうか?
また、京都は基本的に「仕出し弁当文化」なので、地区の運動会なども主催者からのお弁当支給。今はコンビニ弁当がその役目をしています。なので「お母さんが朝からせっせと作ったお弁当のお重を家族で囲む」っていうのは漫画だけの世界で不思議でしたねえ(いけずな京女44歳さん)
ただ、椅子は各々がいったん教室に持って入ることになっており、給食は椅子に座って食べることができましたが……。もちろん、午後にはまた校庭に持ち出すことになります。
運動会を見ている親たちはそれぞれ小グループとなり、近所の喫茶店などに集まって昼食をとっていたようです。
当時の担任の話によると、家庭の事情で弁当を持ってこられない子や親が来られない子が疎外感を感じることを防ぐための給食だとのことでしたが……。ちなみに同世代が経験しているミルメークも飲んだことがありません。京都は変わっているのでしょうか(びわねこざめさん)
ベティー隊員 わーい、こんなにお仲間がいたなんて!
大阪の南河内、京都市は給食であった。
ここで注意したいのは一度校庭に持ち出した椅子を教室に持ち帰って給食を食べるというケースと、教室から机を持ち出して校庭で食べるというふたつの形態が存在するということである。
飲み屋で運動会の給食について知識をひけらかす場合に、このようなディテールをはっきりくっきり語ると大いに尊敬されるであろう。
デスクほんと? 尊敬? 軽蔑じゃなくて?
な、なにー? 福岡でもー?
教室にはちゃんと椅子が置いてありましたのでモダンタイムスではなかったです。その代わり、運動場では体育座りで観戦していました。観覧席に椅子の持ち込みやテントなどなく、青空ピーカンでよくぞ何ともなかったのはオゾンホールが小さかったからでしょうか? テント、椅子があるのは、本部席、来賓席、保健場所だけでしたね。
リレーなどは運動靴をわざと脱ぎ飛ばして走るのがかっこいいと思っていました。アンカーだけは最初から裸足が粋だったものです。
私の子どもの学校では生徒はテントの下で椅子、水筒持ち込み観戦。お弁当持参です。
ただ、裸足が伝統のようです。
家内は朝早くからおじい、おばぁが福岡市内からやってくるので、めいっぱい彩り鮮やかなお弁当を作るのですが、暑さにバテていつも残ってしまいます。もちろんおいなりさんは欠かせません…今日も家内は4時起きでお弁当作りをしています。雨が降ってるけど…!?(久留米のオデッセイ2001さん)
福岡市は給食だったが現在お住まいの久留米は弁当持参に家族応援ありですか。よかった。
豪華弁当(我が家比)-家族応援―白足袋という図式によって彩られた祝祭が運動会であった者にとって、給食であったとか、平日なので家族の応援もなかったという証言には多少の驚きを禁じえないが、以下のメールを読むと目頭が熱くなる。
小学校のときは教室にもどり、椅子がないので床に座ります。はるか上の机の上にあるのはパンと牛乳とみかんだけ。中学校のときは校庭の椅子に座ったまま、配られる袋入りのパン2個とポンジュースの三角パック、それとバナナでした。
1日中身体を動かしているのにそれだけなので、育ちざかりの身にはつろうございました。校庭でお弁当を広げるなんて、どっかの作り話だと思ってました(お名前ありません)
運動会が10月10日か日曜日だったせいでしょう。たぶん給食担当のオバチャンたちの休業日だったのだと思います。
普段はコッペパンなのに、ハレの運動会の日は小ぶりの菓子パン(あんぱん、メロンパン、クリームパンなど)が3つ位、ビニール袋に入った物を渡され、そしていつもは瓶入り牛乳なのに、この日は三角パックの牛乳。そして冷凍ミカンが1個! さらにバナナが半分付くこともあったと思いますがこれらを教室の床に座って嬉々として眺めたものです。
生徒はこれを食べたあと、校庭でゴザやビニールシートを敷いておむすびを食べている家族のところに行って、水筒から氷が溶けて生ぬるくやや薄味になったカルピスなどを飲みながら幸せを満喫したのでした。
から揚げ? チューリップ?? ウ~ン 我が家はもちろん友人たちの家族のお弁当にも見たことなかったと思います。書いていてなんか悲しくなってきたので、ここでやめます(静岡市 どうせ定位置ベイスターズさん)
家族のところに行き、飲み物などをもらうことができたどうせ定位置ベイスターズさんはまだしも、お名前ありませんさんの場合は、大人の都合で肝心の子どもをほったらかしみたいなものではないだろうか。
今からでんよかけん久留米にこんね。久留米でお子さんに現代日本の明るく正しい運動会ば経験させちゃらんね。
福岡市はいかんよ。あそこは給食やけんね。久留米ばい。間違わんごつせにゃいかんよ。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
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