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焼きいも、焼酎、収穫… 1日遊べるサツマイモ体験

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NIKKEI STYLE

旬を迎えた秋の味覚、サツマイモ。自然の甘さ、ほくほくとした食感は、気温が下がり始めた今の季節にぴったりの味だ。落ち葉を集めて、新聞紙にくるんだサツマイモを入れてたき火……。昔ながらの秋の風景だが、最近では、庭でのたき火もはばかられるようになった。

でも大丈夫。自宅のキッチンで簡単に焼きいもを、しかも石焼きいもを作る方法がある。用意するものはサツマイモとやかん(あるいは鍋)、玉砂利。

玉砂利は、ホームセンターに行けばガーデニング用のものが数百円で手に入る。これを水で洗い、やかんに入れ、そこにサツマイモを入れて中火で60~90分。それだけで、お店と同じおいしい石焼きいもができあがる。

石が焼けて、イモの表面を高温に保つため、外はカリカリに中はほっくりと甘く焼き上げる。砂利とやかんさえあれば、あとは火にかけるだけ。意外なほど簡単だ。実は、この「自宅で石焼きいも」、サツマイモの産地、茨城県行方市にある施設で身につけた手法だ。

なめがたファーマーズヴィレッジは、大阪府守口市に本社を置く菓子製造の白ハト食品工業がJAなめがたと整備した農業体験施設。統合によって廃校になった小学校の校舎に隣接して菓子製造工場を建設、製造・販売とともにサツマイモの魅力を展示するミュージアム、収穫体験ができる農場などを作った。

地元の生産者と深い関わりを持っていることから、工場見学が中心のほかの企業ミュージアムとは異なり、生産・収穫体験、さらには霞ヶ浦と北浦の2つの湖にはさまれた地域を巡るツアーまで用意、農業と自然を幅広く体験できる施設になっている。

中核施設とも言えるやきいもミュージアムでは、サツマイモと焼きいもの魅力を展示と工場見学で体験できる。日本への渡来から戦中戦後の食糧難の時代に日本人の胃袋を支えた歴史を学ぶとともに、なぜサツマイモを食べるとおならが出るのかなどが分かりやすく展示されている。

女優の森光子さんが代表作「放浪記」で、舞台の上で長年焼きいもを食べ続けたエピソードなどを紹介。おならの音で音楽を奏でてみたりと、大仕掛けではないが、多くの発見や楽しみが用意されている。

工場見学もミュージアムの順路の中に組み込まれている。この日は大学いもの製造が行われていた。カットされたサツマイモを油で揚げ、まんべんなく飴を絡ませて袋詰めする。2階から階下を見下ろすように製造現場を見学するのだが、どの工程でも、中で働く従業員たちが、見学者を見上げて手を振ってくれる。ちょっとしたホスピタリティーがうれしい。

工場見学の後には試食も。ホクホクのやきいもと甘い大学いもを食べることができた。別工程で、スイートポテトの調理体験も用意されている。

飲食施設も充実。ビュッフェスタイルのイタリアンレストランとカフェを併設。カフェではサツマイモをはじめ地元産野菜をたっぷり使ったカレーを堪能できる。

お父さんにうれしいのは、干しいもバー。物販コーナーの一角にバーがあり、そこで特製の干しいもをつまみに芋焼酎を飲むことができる。皿には燻製、丸干し、スライス、スティックの各干しいもが並ぶ。

季節の木のチップで燻すというスモークは、これまでに食べたことがないタイプの干しいもだ。絶妙の燻蒸香が、ストレートで飲む焼酎によく合う。

一般には蒸してから皮をむいて干す干しいもも、皮付きのまま焼き干しにしたものを、最後に皮を取るという独自の製法を取り入れている。強い甘さから菓子のイメージがある干しいもだが、これならじゅうぶん酒のつまみになる。

さらに驚かされたのは皿に添えられた緑と白のパウダー。緑は抹茶、白はブランデーを粉末にしたものだ。これを干し芋につけて食べると大きく味が変化する。とくにブランデー。口に含んだ瞬間に、ぶわっと口中にブランデーの香りが広がり、それを追いかけるように干しいもの味が立ち上がってくる。

家族はミュージアムや畑に行かせたまま、ここでじっくり腰を据えて飲みたくなる。

道路をはさんだ向かいは農場だ。ここで農家の仕事が体験できる。まずはいも掘り。こんもり盛られた土の中から大きく育ったサツマイモを掘り出すのだが、一株にいくつものいもができているので、慎重に土を払わないとせっかくのいもを折ってしまう。ていねいに土を払いのけていもを引き出せば、こんなにたくさんできるものかとビックリする。

農場の片隅ではたき火が行われていて、あらかじめここで新聞紙とホイルにまいたサツマイモを火にくべておく。いも掘りが終わるころには食べごろだ。熱々の焼きいもを2つに割ってほおばる。焼き立てならではの食感、甘さに幸せを感じる。

スタッフはいずれもフレンドリーで、子どもたちはもちろん、大人も笑顔が絶えない。農場の中には、自分でテントを張ったりすることなく、自然の中でホテル並みの豪華なサービスが受けられる「グランピング」の施設も用意。家族ぐるみ、泊まりがけでサツマイモと行方の自然が満喫できる。

東関東自動車道路で都心とつながる潮来のバスターミナルからは水陸両用車も運行。途中水上走行も織り交ぜながら周辺の自然を堪能できる。こうした施設外の催しも含めると、1日ではすべて体験できないほどたくさんのメニューが用意されている。

東関東自動車道路潮来ICから、行方まではわずかな距離。都心からは約90分と意外に手ごろなレジャースポットだ。茨城県の中でも観光地のイメージがない同地域だけに、穴場のスポットと言える。秋の週末に、家族を連れて出かけてみてはいかがだろうか。

◇  ◇  ◇

茨城県はサツマイモだけでなく、栗でも全国有数の産地だ。特に笠間市が栗生産の拠点として知られる。

そんな笠間で今注目の栗は「愛樹マロン」。矮化(わいか)栽培といって木の高さを170センチほどに抑えることで、葉が低い部分から大きく茂るため、収穫しやすく、かつ大きく甘い栗になるという。

茨城県内では、収穫後の栗を1カ月ほど低温貯蔵する試みも。雪中で保存する根菜のように糖度が高まるという。ただでさえ甘い栗が、この後、いったいどこまで甘くなるのか。市場に出るのは10月末ごろという。サツマイモを求めて茨城県を訪れる際には、この栗もぜひ忘れないでおいてほしい。

(渡辺智哉)

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