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定年楽園への扉

老後の交際費は「サンカク」で 義理や見えは捨てよう 経済コラムニスト 大江英樹

2017/10/19

退職後、数年たってかつての部下たちと集まる機会があったときに、「悪いね、いつも年賀状をくれているのに。こちらは年賀状を廃止したから返事を出していなくて」といったところ、元部下たちの反応は「え、そうでしたっけ?」でした。こちらが気にしているほど、相手は気にしているわけではないのです。形式的な儀礼にすぎませんから。

■葬儀は出るが結婚式には出ない

次は「葬儀には必ず出るけど結婚式には原則として出ない」ことです。現役時代は若い部下の結婚式に呼ばれて出ることが頻繁にありました。多い年は10回以上だったときもあります。このご祝儀はばかになりません。退職後はこういう招待はめっきり減りましたが、それでもたまにあります。

ごく身内の結婚式には出ますが、私は仕事の関係や昔の義理で招待される結婚式には一切出ません。呼ぶ方も仕方なく呼んでいる場合が多いからです。もちろん、お祝い事に参加しないのは不義理でしょう。しかしながら、お祝いの気持ちを表すなら祝電や贈答でも十分に伝わります。結婚式に出席せずとも礼を尽くせばいいのです。

これに対して、お通夜とか告別式はごく身内だけでの葬儀でない限り、できるだけ出席するようにしています。その理由は、お世話になった故人との最後の別れの機会だからです。ご遺族の方の悲しみは深いものですが、私自身の経験でいっても、多くの人が参加してくれるのはご遺族にとっても心強く感じるものです。故人にまだ配偶者がおられる場合、その後も交流を続けていくことで励ましや心の癒やしにもつながっていきます。

■老後の付き合いは選択と集中で

高齢期に大切なことは孤独にならないようにすること、人とのつながりを大切にすることです。だからこそ、義理や見えでの付き合いは極力少なくすべきです。本当に良好なコミュニケーションができるようにお金は使うべきだし、関係づくりに励むべきだと思います。三角術を実行することは全く問題ありません。老後の人との付き合い方は「選択と集中」があって大いに構わないと思います。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は11月2日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!」(共著、日経BP)など。http://www.officelibertas.co.jp/

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