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『風のオリヴァストロ』を歌うことの意味(井上芳雄)

第7回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。10月4日に初めてのシングル曲となる『風のオリヴァストロ』をリリースしました。身近な人が亡くなることは、誰しも避けられません。そんなとき、歌が慰めになることは多いと思います。僕もそうやって慰められてきました。『風のオリヴァストロ』は、遠くへ行ってしまった人に向けて、残された人たちの思いを歌った歌です。

もともとは作曲家の宮川彬良さんがテレビ番組のテーマ曲として書かれた曲で、その後、安田佑子さんが歌詞をつけられました。宮川さんは、僕が出た朗読劇『夜と霧』やストレートプレイ『漂流劇 ひょっこりひょうたん島』の音楽を担当されて、何度か一緒に仕事をさせていただいています。その縁でこの曲を知り、とてもすてきな曲だと思い、自分のコンサートやファンクラブのイベントなどで歌っていました。宮川さんは音楽に対してすごく情熱がある方で、この曲をCDにしたいと言ったら、すごく喜んでくださいました。

僕は音楽や歌の大事な役割のひとつに、人の心を癒やすことがあると思っています。そういう曲が大好きですし、自分が音楽をやっている意味も、歌うことによって少しでも誰かの癒やしや慰めになれれば、と思っています。

この曲をコンサートやイベントで歌うとき、「もう会えない人を思う歌で、僕はこの曲をとても大事にしています」と少し話をしてから歌います。来ていただいた方が帰り際に「泣きました…」とか「最近、親が亡くなって…」と話してくださるのを聞くと、思いが届いてるんだな、と感じ、歌ってよかったなと思います。

歌っていると、浮かんでくる顔

僕自身、この曲を歌うと、今までお別れしてきた身近な人の顔が浮かんできます。それも毎回歌うたびに、思い出す顔が違うんです。そういう不思議な歌ではあります。

そんな遠くへ行ってしまった人の中に、僕が若いころから、とても思いをかけてくださった方がいます。「バーデン・バーデン」というドイツ料理店の先代の社長さんで、8年前に亡くなったのですが、生前は僕のことをとても愛してくれました。

日比谷の劇場の近くにあるお店なので、食事に行って知り合い、その後は一緒に海外旅行に行ったりとか、10年以上おつきあいさせていただきました。舞台を見に来られたら、とにかく僕びいきというか、いろいろな役者さんがいらっしゃるのに、いつも「芳雄が…」「芳雄が…」と言われて、僕からしたら「恥ずかしいので、もうやめてください」というくらい、かわいがってくれました。

その方が病気になり、意識が薄れてきたというときに、病院に行きました。ずっともうろうとしていたのですが、「社長、来たよ」と声をかけたら、一瞬パッと元に戻って、「おう、芳雄か」ってニコッと笑ってくれて、その後、また意識が薄れてしまいました。最後に見せてくれた、あの笑顔が、歌っているときに浮かんできます。

その方は血縁でもないし、仕事の関係でもありません。なのに、どうしてすごくかわいがってくれたのか、自分でもわかりません。ただ、僕がデビューして間もない20代前半のころ、こんなことを言われました。

「お前の歌は、きっと世の中に必要になるときが来る。歌の才能という、素晴らしい贈り物をもらっているのだから、それをしっかり生かさないといけないよ」

当時は僕も駆け出しだったので、「そんな…、この先、僕もどうなるか分からないですよ」とか返事したと思うのですが、今にして思えば、とても大事なことを言っていだだいたのですね。その言葉を胸に刻んで、歌い続けています。

ラジオ番組のスペシャルライブ

10月12日には、久しぶりのソロンサートを東京国際フォーラムで開きます。4月にスタートした『井上芳雄 by MYSELF』というラジオ番組のスペシャルライブです。

当日は、全国の映画館でコンサートの生中継を見られるライブ・ビューイングも開催されます。ミュージカル俳優の単独コンサートとしては初めての試みだそうで、光栄なことです。

ラジオでは、大貫祐一郎さんのピアノの生演奏で、生歌を毎週2曲歌っています。コンサートでは、大貫さんがこの日だけのスペシャルバンドを率いて、ピアニストとして参加。僕のミュージカル仲間もゲストとして来てくれます。

歌う曲は、ラジオで歌った曲を中心に、リクエストも募って構成しました。ポップスとミュージカルナンバーを2部構成で歌います。ポップスはリクエストが多かったり、評判がよかった曲から選びました。僕の持ち歌というよりも、リスナーの方が望まれている曲を中心に歌うことになります。ミュージカルナンバーは、僕が出演したミュージカルの中で人気があるものが中心なので、ベスト盤的な選曲という感じです。

なので、音楽的には間口の広いコンサートになると思います。ラジオの公開収録を豪華にやる感覚なので、5000人の大ホールですけど、ラジオと同じようなトークの時間もあります。

とにかく初めての形態なので、どんなコンサートになるか自分でもちょっと分かりません。ラジオはすごくリラックスしてやれているので、いい意味で気楽にコンサートをやれたらいいなと思っています。もちろん、『風のオリヴァストロ』も歌います。

井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第8回は10月21日(土)の予定です。

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