東京の「ホテルラッシュ」止まらず 野村不動産が参戦三井不動産も新ブランドで拡大、訪日客取り込み

不動産大手が都市部でホテル運営事業を相次ぎ拡大している。野村不動産は「ノーガホテル」という独自ブランドで、2018年秋に東京・上野に第1号のホテルを開業する。三井不動産も東京・銀座に宿泊特化型の新ブランドのホテルを開いた。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けてインバウンド(訪日外国人旅行客)が拡大するなか、オフィスビルに匹敵する収益が見込めるホテル事業に注力する。

野村不動産は「ノーガホテル」の第1弾を東京・上野に18年秋開業する(完成予想図)
三井不動産は新ブランドの「ホテル ザ セレスティン」を東京・銀座に開いた

野村不動産はグループ会社の野村不動産ホテルズ(東京・新宿)を通じてホテル事業に参入する。第1弾となる東京・上野のノーガホテルは130室の宿泊特化型。平均客室単価は2万円前後で、宿泊客の半数に外国人を想定する。初年度の売上高目標は8~9億円。

東名阪の三大都市圏を中心に早期に2000室を展開する。札幌や福岡などの地方中枢都市も検討する。100~150室規模を基本とし、1拠点の総事業費として50億円前後を想定する。将来は住宅との複合開発、不動産投資信託(REIT)への物件売却も検討する。他社が持つ物件に入居する形での運営や大規模複合開発での外資系ホテル誘致も進める。

不動産大手はホテル事業を強化している
社名主な取り組み
三井不動産新ブランド「セレスティン」を東京・銀座で開業。2020年度までにグループ1万室規模に
三菱地所宿泊特化型の新ブランド「ザ ロイヤルパーク キャンバス」を18年以降に東名阪で展開
住友不動産羽田空港直結で合計1700室規模の3種類のホテルを20年6月開業予定。東京・有明でも
東急不動産
HD
ビジネス客主体の東急ステイを首都圏以外で初めて11月に京都で開業。札幌、福岡でも

三井不動産は10月5日、宿泊特化型の新ブランド「ホテル ザ セレスティン」を東京・銀座に開いた。同ブランドとしては9月7日に開業した京都・祇園に続く2つ目で、11月28日には既存のホテルを改装する形で東京・芝にも開く予定だ。三井不動産は都市型ホテルとして、「三井ガーデンホテル」を含めグループで合計約5800室を運営しているが、20年度までに1万室に引き上げる。

不動産サービスのCBRE(東京・千代田)の17年7月の調査では、不動産の期待利回りは地価が高い東京・大手町のオフィスの平均3.55%に対して東京主要5区の運営委託型ホテルの平均は4.75%と高い。東京では18年からのオフィス供給過剰が懸念されている。不動産大手は物流施設やホテルなど開発物件を多様化し「今は同じ規模・立地ならホテルはオフィスビルに負けない収益が期待できる」(野村不動産)という。

[日本経済新聞朝刊2017年10月3日付を再構成]

今こそ始める学び特集