学校のなかにある畑で、園芸の授業が行われる=鴎友学園提供

リケジョの育成でいえば、鴎友には進学校では珍しい園芸の授業もある。中1で週2時間、高1でも週1時間をあてる。校内には広い畑と温室があり、生徒たちは実際に植物を育てる。土の中にいるミミズも、1年もしないうちに気にしなくなる。医学部に進学する生徒も増えているが、生物の解剖になれているので、進学後に拒否感を示す学生も少なそうだ。

中学3年間で英文100万語を読む

アクティブラーニングは最近の流行だが、鴎友はさらに実践的だ。実際に目で見て、手に触れ、頭で考え、声に出して読み、生徒同士で話し合い、自分の意見を書くことを繰り返す。理数は観察・実験中心だが、英語もLL教室には実に1万8千冊の英語の本が並んでおり、中学3年間で累積100万語を読むことを生徒の目標としている。授業はオールイングリッシュで通し、(有名な演説や文学作品などを朗唱する)レシテーションやフリースピーチも取り入れるなどいずれの授業も活発だ。

英語もアクティブラーニング=鴎友学園提供

吉野校長は「先生の講義をおとなしく聞く授業ではなく、生徒中心主義の授業をやっている。目標は自分たちで考え、発言し、行動して成果を出すことで『自己肯定型』の女性を養成することだ」という。

鴎友はこの20年余りで急速に進学実績を伸ばした。1学年の定員は220人。17年の合格実績は東大9人など国公立大学に94人。早稲田大学98人、慶応義塾大学55人、上智大学68人。合計すると300人を超す。「女子御三家」と呼ばれる名門私立女子校、桜蔭中高、女子学院中高、雙葉中高を追随する「新女子御三家」の一角といわれるほどの実績を上げている。ちなみに新女子御三家とは鴎友のほか、豊島岡女子学園中高、吉祥女子中高をさすという。

「リベラルアーツ」志す名門、一時は偏差値38に

しかし、1970~80年代の大学合格実績は悲惨だった。国公立+難関3私大の合格者数は計10人前後で、東大など難関国立大はほぼゼロだった。日能研の偏差値は1983年には38にまで下がり、40前後で低迷した。それが今は62前後にまで上昇している。

もともと鴎友はリベラルアーツ教育を是とする名門女子校だった。1935年に東京府立第一高等女学校の同窓会をベースに創立された。同校校長で女子教育の先駆者といわれた市川源三氏と、内村鑑三・津田梅子両氏の薫陶を受けた石川志づ氏の2人が教育の基礎を築いた。

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「SOS」女子校3校で再生
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