三菱商事出身でローソン社長などを経てサントリーホールディングス社長になった新浪剛史氏のほか、住友商事出身の瀬戸欣哉LIXILグループ社長や、伊藤忠商事出身の沢田貴司ファミリーマート社長などプロ経営者が次々誕生している。カルビーの松本晃会長も伊藤忠出身だ。いずれも商社から子会社や起業、新興企業、外資系などで実績を積み上げた胆力のあるリーダーだ。

今注目はPMI

グローバル化が進展する中、今注目の職務がある。「PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)」と呼ばれ、M&A(企業の合併・統合)による統合効果を上げるマネジメントを統括するリーダーだ。日本企業による海外企業の買収が相次いでいるが、半数の企業が損失計上するなど失敗するともいわれる。東芝が経営危機に陥ったのも米ウエスティングハウス(WH)の買収が一因だ。実際にうまく統合効果を上げているのは日本たばこ産業(JT)など一部の日本企業ぐらいだ。JTの場合、副社長の新貝康司氏の率いるチームが機能して大型買収を次々断行して統合効果も高めた。

リクルートエグゼクティブエージェント社長の波戸内啓介氏

波戸内氏は「我々のところにもPMIの役割を担う人材の要望が10件ほどある。しかし、米欧や中国、インドなど海外の企業をうまくコントロールするのは非常に難しい。PMIの対象となる人材はやはり外資系企業などで同じような経験をしたリーダークラスの人材。候補になるのは日本人だと、30~50人ぐらいしかいないだろう」という。

自己分析、PRも必要

ただ、社外には無名の優れた幹部人材も少なくない。「日本の経営幹部は自己PRの下手な人が多い。謙虚が美徳という企業風土もあるが、大きな成果を上げても社内外に知られていないケースもある」。名門企業といってもいつ経営不振に陥るか分からない時代だ。常に自己分析し、自身の成果など実績を整理して棚卸ししておく必要もありそうだ。

波戸内氏によると、人材紹介サービスが仲介するエグゼクティブ転職市場は日本の場合は200億円規模。まだ米国の30分の1だという。ただ日本市場も「5~6年前の3倍と急増している。数年内に500億円規模には膨らむだろう」という。グローバル化と技術革新の波が押し寄せるなか、人材の流動化は避けられない状況だ。「人生100年時代」といわれるが、1つの会社の中でキャリアを完結できる人はほとんどいない。自らの成果を客観的に分析し、仮にチャンスがあれば、新しいキャリアに挑戦するのもいいかもしれない。

(代慶達也)

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