経営再建中の東芝、転職者も増えている

求められるリーダーの能力はそれぞれの場面で異なる。新規事業や海外市場に進出する場合、マーケティングのプロが必要とされる。成長の局面では、セールスなど営業のプロ、安定した局面では、コスト管理、そして業績が崩れ、リストラ・再生する場面ではコストカッターが求められる。ただ、いずれの局面でも成果を上げるリーダーは胆力がある人材だ。

ただ、成果を上げたリーダーだからといって、他社に転職して力を発揮できるとは限らない。「会社にはそれぞれの風土というか、社風もある。強烈なカリスマ経営者が率いるトップダウン型の会社もあれば、ボトムアップ型企業もある。タイプマッチングしないと成果を出せない」と話す。

一番の出世頭は危うい面も

転職して失敗しやすいリーダーのタイプはあるのだろうか。波戸内氏は「大企業でエリート街道を走り、一番の出世頭だったような人は、うまくいかないケースがある。成果を上げてきたといっても、実際はチームのメンバーが優秀だったからという場合もある。必要以上に自信家で、上から目線で指示するタイプは嫌われる。逆に能力はあるのに、子会社などを転々としたリーダーは大きな成果を上げる人が少なくない」という。

現在、転職人口は年間で300万人を超すが、一般に幹部人材の転職は成功する確率が低いといわれる。1つの会社のカルチャーに染まり、長年の上司、部下の関係で実績を積み重ねてきたためだ。波戸内氏は「確かに年配になるほど転職は難しくなる。我々が転職を仲介して顧客企業からものすごく感謝される割合は約3割、成功といえるのは5割程度。逆に転職後いま一つだったのは2割ぐらいじゃないだろうか」と話す。

転職を決める三大要素は年収とやりがい、そして企業風土。「エグゼクティブ転職の対象となる幹部人材の年収は1200万~1300万円以上。最近、プロ経営者が増えているが、経営層クラスだと億単位になる」(波戸内氏)。名門企業でも外部から登用されたプロ経営者が増えている。特に若い頃からビッグビジネスを手掛ける総合商社出身が目立つ。

次のページ
今注目はPMI
ビジネス書などの書評を紹介
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら