「お金の終活」まずは一覧表作成 口座はなるべく整理家族への通知、定期更新も大事

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終末期や死後の手続き・行事について自分で考えて準備する「終活」では、お墓や葬儀の支度だけでなく財産の引き継ぎも重要だ。まずは手持ちの金融資産や不動産をリストアップ、そして必要に応じて集約し、だれにどう残すか考え始める。そんな「お金の終活」にも早めに着手したい。

「父は2013年に『自宅はおまえにやる』とだけ言い残して死んだ。他の財産はどこに何があるか一切分からず、調べるのが大変だった」と振り返るのは札幌市に住む男性Aさん(64)。同じ苦労を子どもにさせたくないと翌年から財産のリスト作りを始めた。「預金や株式、保険のほか、世話になった税理士や司法書士の連絡先などいろいろ加えたら、ワード文書で20枚になった」と苦笑する。

横浜市在住のBさん(75)は妻と一緒にエクセルでリストを作った。「夫婦でよく旅行に行くが、万が一事故に遭ったら子どもが困る。かつての職場の同僚が財産目録を作ったと聞いたので自分もやってみようと思った」。作業を終えると「どこにどんな財産があるかクリアになった。子どものためだけでなく、夫婦どちらかが先立っても残った方は困らない」と話す。

照会に雲泥の差

保有財産のリストを作る人が増えている。よく聞くのは親をみとったときに十分な引き継ぎがなく、預貯金や株式、保険契約の洗い出しに苦労した経験だ。

自分の死や終末を意識し始め、高まる「子どもに迷惑をかけたくない」という思いも映す。リタイアして時間の余裕ができた頃に始める人が多いようだ。いったんリストを作っておけば、相続に備えて遺言を書く際にも役立つ。

ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏も、父の死後に株や保険などの在りかを見つけるのに頭を抱えた思い出がある。「紙1枚の簡単な形式でもよいので書いてほしい。問い合わせするすべがあるのとないのとでは、その後の手間が大きく違うから」と話す。

市販されているエンディングノートを活用するのも手だ。たいていは保有する不動産や金融資産の状況を書き込むページがある。

不動産は場所と面積、名義について、自宅だけでなく投資用もあれば記入する。預貯金は銀行・支店名、口座番号など、株式は銘柄名や株数、証券会社・支店名などを書く。生命保険やクレジットカードのほか、借入金もあれば加えたい。

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