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もうかる家計のつくり方

妻の浪費癖、なぜ再燃? 電子マネーが「もろ刃の剣」 家計再生コンサルタント 横山光昭

2017/10/4

PIXTA

 会社員のHさん(52)は専業主婦の妻(51)と社会人の娘(22)の3人暮らし。実は妻には浪費で借金をつくった過去があります。その借金を返済するために貯蓄を取り崩し、老後資金への不安を抱えたままのHさんですが、妻のお金の使いすぎを防ぐためにある工夫をし、いったんは家計もうまく回るようになりました。しかし、最近になってまた、妻の浪費癖が再燃したのです。いったい何があったのでしょうか。

■電子マネーの都度チャージで軌道に

 Hさんの工夫とは、妻に流通系の電子マネーのカードを持たせることでした。なぜそうしたかというと、食料品や日用品などを買う際、チャージした1万円や2万円といった金額が買い物代金の上限になるからです。物理的に妻に無駄遣いをさせない作戦です。インターネットで利用履歴も閲覧できるので、妻のお金の使途も把握できます。系列のスーパーやコンビニでも使え、ポイントもたまるので効率的。Hさんなりに考え抜いた「再発防止策」でした。

 一方、手元に現金が全くないのは妻が不安がるだろうと、Hさんは1万円を封筒に入れて自宅の決まった場所に置いておきました。ただ、妻がそのお金を使う機会はほとんどなく、Hさんの家族の家計は軌道に乗り始めます。

 しかし、Hさんはそれで安心したのか、次第にその都度チャージすることを面倒だと感じるようになりました。そして妻に知らせることなく、「オートチャージ」の機能を使い始めるようになったのです。この機能は電子マネーのカードの残高が少なくなると、預金口座やクレジットカードから自動的にカードにチャージしていく仕組み。Hさんはカードの残高が3000円を下回ると、自身のクレジットカードから1万5000円が自動的に妻のカードにチャージされるように設定しました。チャージ前の残高と合わせると、妻は1週間の生活費をまかなうことができ、オートチャージも1カ月に4~5回で済むだろうとHさんは考えたのです。しかし、この見通しは極めて甘いものでした。

■想定の2倍のオートチャージ

 妻は早い段階で「カードの残高が自然に増えている」と気づきます。一方のHさんは油断して、妻のカードの利用履歴を確認する頻度が少なくなっていました。しばらくして、Hさんはクレジットカードの請求が急増していることに気づきます。利用明細をみると、妻のカードに月に8~9回、オートチャージされています。想定の2倍です。妻にそのことを問いただすと、「買い物をしてカードの残高が減っても、すぐに増えるので調子に乗ってしまった」。Hさんにとって電子マネーのカードを持たせることは妻の浪費を防ぐために考え抜いた「苦肉の策」だっただけに、驚きと落胆は大きかったようです。「妻の金銭感覚を根本から変えなくてはいけない」と夫婦で私のところに相談に訪れました。

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