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ストレスチェックを「最強の自分」作りに生かそう

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

こんにちは、精神科医で産業医の奥田弘美です。秋らしい涼風を感じる日が増えてきました。あなたの心と体はお元気でしょうか? さて今回も引き続き「ストレスチェックの活用」をテーマにお伝えしたいと思います。

前回「何となく憂うつ そんなときのストレスチェック活用術」でご案内しましたが、厚生労働省のHP「こころの耳」というサイトでは誰でも気軽にストレスチェックを受けることができます(「5分でできる職場のストレスセルフチェック」[注1]。厚労省が推奨している基本的な57項目質問票(職業性ストレス簡易診断システム)に基づいてストレスチェックを受けることができ、分析結果も提示されます。まだストレスチェックを受けたことがない方も、前回受けてから数カ月経過している方も、ぜひ気軽にストレスチェックを受けてみてください。

このストレスチェックを受けると、図のような3種類のレーダーチャートで結果が表示されます。

ちなみに、ここに掲載した図は筆者のストレスチェックの結果です。筆者は幸い「高ストレス状態」ではありませんでしたが、3種類のレーダーチャートはそれぞれ興味深い結果を示してくれています。前回「何となく憂うつ そんなときのストレスチェック活用術」ではこの3種類のレーダーチャートのうち、「ストレスの原因因子」のチャートの読み方を解説しました。今回は残りの2つについて見ていきましょう。まずは「ストレスによる心身反応」です。

「ストレスによる心身反応」のチャートはこう見る

このチャートでは、ストレスによって、あなたの心と体にどんな反応・症状が表れているかをチェックすることができます。しかも、前回ご説明した「ストレスの原因因子」のチャートは仕事上でのストレス因子の考察しかできませんでしたが、この「ストレスによる心身反応」のチャートは、家庭生活や友人関係、コミュニティーなどでのストレスの影響も反映しています。

では具体的に項目を解説していきましょう。このチャートには、「活気」「イライラ感」「疲労感」「不安感」「抑うつ感」「身体愁訴」の6項目がありますが、これらの項目のなかでどれか一つでもチャートの中心の「要注意ゾーン」やその近くにプロットされている人は、文字通り「要注意」の状態です。

まず「活気」が要注意ゾーンの人は、当然ながら「気持ちのはつらつさ、元気さ」が低下しています。活気は体が疲れていても心が疲れていても低下してしまいます。「最近、面白くない仕事ばかりが増えてゲンナリしている」「家族との間でトラブルが起こって、気力が萎えている」といった心理的な影響でも活気は下がりますが、体そのものの調子が悪くても活気は大いに低下します。そのため自分の体の調子はどうかも合わせてチェックしていくことが必要です。

「身体愁訴」「疲労感」が要注意ゾーンなら医療受診を

体の調子をチェックするには、「身体愁訴」や「疲労感」の項目も重要です。「身体愁訴」(体の何らかの不調)、もしくは「疲労感」が要注意ゾーンもしくは要注意ゾーンに近い方は、体調が悪かったり体力が消耗していたりする可能性が大です。ぜひ思い切って該当する科を受診してみましょう。

例えば頭痛や胃痛、腹痛、腰痛などは、激しく症状が悪化していない限りは医療受診をせずに市販の薬でごまかしている人が特に多い症状ですが、2週間以上症状が続いていたり、何カ月も頻繁に症状が出現しているようならば、医師に相談してください。体の不快感が消えるだけで、仕事へのやる気や集中力が見違えるようによみがえることがあります。

[注1]http://kokoro.mhlw.go.jp/check/

「疲労感」が強い場合は、普段より休息を多めにとり、睡眠不足があればしっかり睡眠をとって解消してください。睡眠は普通の体質の方ならば1日6時間以上が健康のために必要です。睡眠不足が続いていると体の倦怠感がひどくなり、集中力だけではなく活気も大幅に落ちていきます。詳しくは第4回「危険な『睡眠不足』 こんな兆候は要注意!」をご覧ください。

また食事がきちんととれているかも見直してみましょう。カロリーだけ足りていても、疲労回復物質であるたんぱく質やビタミン・ミネラルが不足している食事を続けていると、疲労が解消されません。食事については、第9回「ストレス・疲労に負けない食事 『赤黄緑を1:1:1』」に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

「疲労感」と連動して、「イライラ感」が要注意ゾーンに近くなっている方も少なくありません。体に疲労がたまっていると、精神的な寛容性が低くなり、イライラしやすくなってきます。イライラと体の疲労を紛らわせるために、たばこやコーヒー、アルコール、チョコレートなど甘い物の量が増える人や、神経が高ぶるため寝つきが悪くなる人もいます。さらにイライラが高じるとささいな出来事でつい部下をきつく怒ってしまったり、普段なら気にならないことで家族に切れてしまったり……と人間関係の悪化の原因にもなっていきます。つまり体の疲労が高じると、冷静な判断力が低下してしまうのです。

睡眠、食事を改善してもイライラが治らなければ……

睡眠や食事を改善して体の疲労を抜いてみても、イライラが自分でコントロールできない人は、精神科や心療内科の受診を検討してみましょう。

「活気の低下」「疲労感」「イライラ感」などとともに、「不安感」「抑うつ感」が要注意ゾーンに入ってきている方は、メンタル不調の可能性が高まります。

「不安感」は、メンタル不調になりかかっているときに悪化しやすい症状です。大きなプロジェクトや重要な商談の前に不安になるのは自然な感情ですが、不安感が過度に続いていて、日常生活に悪影響を及ぼしているようなら医療受診を検討してください。例えば少し上司にミスを注意されただけで「嫌われているに違いない」と過剰に反応して仕事が手につかなくなってしまったり、ネットで下流老人やがんの記事を読んだだけで「自分は大丈夫だろうか」と心配になって眠れなくなったり……。メンタル不調になってくると、このような尋常ではない不安感が悪化してきます。

「抑うつ感」は、憂うつさ、もの悲しさ、むなしさなどの感情のことですから、これが要注意ゾーンに入っていると、うつ病などのメンタル不調のチェックが必要になってきます。「何をしても楽しくない」「気分が晴れない」「憂うつだ」といった抑うつ感情や、尋常ではない不安感が2週間以上ほぼ毎日続いていて、仕事や生活に影響が出てきている場合は、迷わずに心療内科や精神科などの医療受診を行ってください。

自分の弱点を知り、他者との関係作りに生かす

最後に「ストレス反応への影響因子」のチャートを見てみましょう。このチャートには、「上司」「同僚」「家族や友人」からのサポート度と「仕事や生活の満足度」が示されています。当然ながら、上司や同僚のサポートが高ければ職場のストレスは緩和されやすくなりますし、家族や友人のサポートがあればプライベート時間で緊張や不安が癒やされるためストレス症状が和らぎます。その逆に職場や家庭のサポートが低ければ低いほど、ストレス度は高まりやすく、心身の不調が表れやすくなります。

他者との関係は一朝一夕に変えることはできませんが、自分の人間関係の状況に気付きを得ることで、少しずつ補強していくことができます。例えば筆者の場合は、組織に所属せず、精神科医と嘱託産業医をフリーランスに近い形で行っているため、上司や同僚という固定の人間関係がなくてどうしてもサポート度は低くなっています。そのことを自覚しているため、同業者の知り合いを意識的に増やして相互にアドバイスし合える関係性の構築を心がけることでカバーしています。

知人で一人暮らしのキャリア女性は、兄弟がおらず年老いた両親も遠方に住んでいるために家族からのサポート力が乏しいと自覚しています。そのため自分から友人を誘って食事会を企画したり、仕事が忙しい時でもメールや電話で友人とコンタクトをとることを心がけたりしているそうです。

人間関係にとどまらず、職場やプライベート生活全体の満足度も、ストレス緩和に大きく関係してきます。ストレスチェックの受検をきっかけに、満足度が低い方は、「何に対して不満なのか」「何が改善すれば満足度が上がるのか」といった観点で、仕事やプライベート生活をじっくり見直してみることをお勧めします。職場とプライベートに分けて、「満足していないこと」「それを改善するためにできること」などと紙に箇条書きにして書き上げていくと自分の心の整理と洞察がやりやすくなるのでお勧めです。

以上、2回に分けてストレスチェックのチャート別の見方と有効活用法をご提案しました。高ストレス状態と認定されなかった方でも、必ず何らかのストレスを抱えて仕事をしています。ご自身のストレス状態に気付き改善に結びつけるツールとして、ストレスチェックを上手に活用してください。

【こちら「メンタル産業医」相談室】

第14回 何となく憂うつ そんなときのストレスチェック活用術

第13回 知って納得 「ストレスチェック」と「健診」の違い

第12回 パワハラは連鎖する! 自称「体育会系」はご用心

第11回 遅い夕食でも太りたくないなら お勧めは「分割食べ」

第10回 太らない人が実践する「3つの食習慣」

第9回 ストレス・疲労に負けない食事 「赤黄緑を1:1:1」

第8回 連休で疲れを残さないコツ 変化はストレスと考える

奥田弘美
 精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家。1992年山口大学医学部卒。精神科臨床および都内20カ所の産業医として日々多くの働く人のメンタルケア・ヘルスケアに関わる。執筆活動にも力を入れており「1分間どこでもマインドフルネス」(日本能率協会マネジメントセンター)、「何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから」(扶桑社)など著書多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げマインドフルネス瞑想の普及も行う。

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※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

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