ロックユニットOLDCODEX アートであり音楽の異才
OLDCODEX(オルドコデックス)は、声優としても活動するボーカルのTa_2と、アートペインターであるYORKE.、2人の異なる才能が融合するロックユニットだ。「アートであり音楽」という彼らが提示する新しい形は、唯一無二の存在感を放つ。また、米国や中国など海外でも積極的に活動を展開している。
そんな彼らが7月にリリースしたのが3年ぶりのオリジナルアルバム「they go, Where?」。多くの楽曲を外部クリエイターに委ねてきたOLDCODEXにとって、全楽曲を作曲Ta_2、作詞YORKE.の2人で制作したのは初めてだ。
YORKE.が名付けたタイトルは「they go, Where?」。直訳すると「彼らはどこに行くのか?」。Ta_2は、「まさに俺らのこと」と話す。アルバム制作開始直後、結成から一緒にやってきたディレクターとたもとを分かち「それまで作っていたものが一旦白紙になった」(Ta_2)。何を作るのか、これからどうするのか。答えが「OLDCODEXをひっくり返したいなと。ネガティブなものから始まってはいるけど、最後は希望が見えれば」とTa_2。
その思いのすべてはリード曲「Where'd They Go?」に込められた。ライブで観客と一緒に歌うことを意識して作られたロックナンバーは、シンセサイザーの不協和音から始まり、語りかけるようなTa_2のボーカルへ。曲は激しさを増し「Wow wow」の響きとともに高揚感は爆発する。
「Ta_2から曲を渡されたときに、みんなでWow wowって叫びたいって言われて。でも、このパートってものすごく強さがあるから、その他の部分でよりストレートに思いを伝えるために日本語の比率が多くなったのかなと。『こんなところで止めないよ』って強く言ってるつもり」(YORKE.)
このアルバムを引っ提げての全国ライブツアーが9月からスタート。
「ペインターの存在が僕らが他とは違うところ。それを存分に感じてもらえるのがライブ」(Ta_2)。「フェスの俺らが(知らない人が珍しがる)カピパラだとしたら、ワンマンは(独壇場でパフォーマンスできる)ライオン。いろいろなドラマを乗り越えた今、楽しんで、表現を追求していきたいです」(YORKE.)
(「日経エンタテインメント!」9月号の記事を再構成。敬称略。文/山内涼子)
[日経MJ2017年9月29日付]
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