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アイワ、ナガオカ、シビック 老舗ブランド復活の勝算

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日経トレンディ

オーディオの「アイワ」「ナガオカ」や、クルマの「シビック」など、かつての人気ブラントを復活・再生する動きが活発だ。勝算はどこにあるのか。知名度や単なる懐かしさに終わらない、今の時代を見据えた技術や製品戦略を、AV評論家の折原一也氏の製品評価も交えながらリポートする。

国内ブランドと海外製品のはざま狙う

家電ブランドの「アイワ」が復活すると聞いて、なぜか、うれしい気分になった人も少なくないだろう。90年代までのアイワは、それほど身近で親しみやすいブランドだった。

海外にも製造拠点を設けるEMS(電子機器の受託生産)の十和田オーディオ(秋田県小坂町)は、ソニーからアイワの商標の使用権を取得。同名の会社を設立して、2017年11月の製品発売に向けて準備を進めている。アイワの三井知則社長は、「当初のターゲットは、アイワを知る40~60代」と語る。日本メーカーの安心感とアイワの親しみやすさを武器に、高価格の大手国内ブランドと、格安の輸入製品との間の空白ゾーンに製品を打ち出す。

11月に発売するのはラジカセ、レコードプレーヤー、CDラジオ、ネットワークスピーカーなどだが、懐かしさに訴えるだけではなく、新技術を投入して機能や使いやすさを高める。さらに、BSで4K放送が始まる18年は、チューナーやアンテナの仕様が大きく変わることから、新規格に対応した4Kテレビの発売を計画する。

船井電機もフナイブランドで国内に再参入した。17年6月から、4K対応テレビなど5シリーズ11モデル、ブルーレイレコーダー4モデルをラインアップし、ヤマダ電機で独占販売を開始した。特に4Kテレビは、映像表現を高めるHDRに対応する他、録画用HDDを内蔵し、異例の3年保証も付けた。価格は「他社の同等レベルの製品と比べて録画機能を備えていることから、リーズナブルな設定になっている」(ヤマダ電機)という。

試した!
録画用のHDDを3TB内蔵し、買ってきてすぐに録画できるのはアドバンテージだ。色の表現力や精細感もまずまず。輝度を広げるHDRにも対応するし、肌色や赤の表現もきれいだ。ただ、大手メーカーの上位モデルが採用しているローカルデミング(LEDバックライトのエリア制御)には対応していないため、部屋を暗くして見ると黒の表現力で譲る。音質はスピーカーの方向が下側に向いているため、多少くぐもって聞こえる。(AV評論家・折原氏)

船井電機の上島誠管理本部長は、「エコポイントで売れたテレビの買い替え需要が18年頃から始まる」と話す。18年には有機ELテレビの発売も予定。「今、国内のテレビメーカーは体力を落としている」と上島氏。中国製の格安モデルの登場や、海外資本の傘下に入る国内メーカーもあるなかで、日本ブランドを打ち出し、消費者の安心感に訴えることで、20年には国内市場のシェア20%を目指すという。

ハイレゾ対応で復活宣言

14年9月にはパナソニックが、10年に販売を終了していた自社のオーディオブランド「テクニクス」の復活を宣言し、話題となった。テクニクスの製品開発に取り組むパナソニックの井谷哲也氏は、テクニクスを復活させた理由について、「ハイレゾの普及やネット環境の充実で音楽の楽しみ方の幅が広がった。ハイレゾ環境により、音質への信頼があるテクニクスブランドが生きると考えた」と振り返る。

オーディオの世界は、2000年前後からパソコンや携帯オーディオプレーヤーが普及し、音質をあまり重視しないMP3やAACなどで圧縮された音楽が一般化した。これに対し、12、13年頃からハイレゾに光が当たり、ハイレゾ配信や対応イヤホン、ヘッドホンなどの新しいマーケットが誕生。機器の可能性も格段に広がってきた。

17年、パナソニックはテクニクスのミッドレンジであるグランドクラスに、アナログレコードを再生するターンテーブル、インテグレーテッドアンプ、トールボーイスピーカーを追加した。

特にダイレクトドライブ方式ターンテーブル「SL-1200GR」(実勢価格15万9840円・税込み)は、コストダウンにより、先行モデルの半分に価格を抑えた製品で、オーディオファンが注目する。SLシリーズは、テクニクスブランドの原点ともいえる製品で、70年代の発売から世界で350万台を売ったロングセラーだった。

試聴
アナログレコードの音質を大きく左右するターンテーブル。「SL-1200GR」を今春発売のアンプとスピーカーとの組み合わせで聴いてみると、アナログレコードに刻まれている音楽を正確にトレースした。家庭で使うには十分過ぎる性能だ。カートリッジを用意する必要があるが、組み立ても難しくはない。ただ、安くなったといってもテクニクス製品が販売を終了した時点でSLシリーズが7万~8万円だったことを考えると、普及モデルの投入が待たれる。(編集部)

また、ここ数年続いているアナログレコードブームを背景に、新しい分野に進出する動きもある。アナログレコードへの回帰は世界的な現象で、国内でも5~6年前を境に、ディスクの生産量がV字回復してきた。

そんななか、現在も世界のダイヤモンドレコード針の9割を供給するナガオカは今年、「VINON(美音)」シリーズと名付けた比較的買いやすい価格のハイレゾ対応イヤホンなど2モデルを発売し、ハイレゾ市場に参入した。

さらに上位モデルのハイレゾ対応イヤホン「JEWELTONE R1」(実勢価格4万9680円・税込み)も売り出し、市場開拓を進める。R1は付属のコードやポーチまでも国産を貫くとともに、自社が長年培ってきたルビーの加工技術を生かし、音響フィルターにルビーを応用して商品化した。

試した!
P609は、この価格帯の製品にありがちな高音がキツい弱点がなく、低音の量感も出ていて気持ちよく聴かせる。P901も低音の量的なバランスが良好で、昔からのHiFiオーディオファンが好む音質に仕上がっている。一方、R1はナチュラル志向の音で響きが美しいが、実勢価格5万円を考えると、コスパはあまりよくない。5万円クラスには各社のプロフェッショナルグレードがそろい、ライバルが強過ぎる。音のチューニングの蓄積がもう少し必要だろう。(AV評論家・折原氏)

ナガオカの長岡香江社長は、「ナガオカの名前が、往年のファンの方々の記憶に残っているうちにブランドイメージを広めたい」と意欲的だ。

ハイレゾ対応を進めるのは、オンキヨー&パイオニアも同じだ。17年5月に新発売したハイクラスの密閉型ヘッドホン「SE-MONITOR5」(実勢価格10万7780円・税込み)は、パイオニアの往年の名機「MONITOR 10」のモニターブランドを30年ぶりに復活させたもの。15年に発売された同社のフラッグシップモデルで、オープン型ヘッドホンの「SE-MASTER1」で培ったテクノロジーなども盛り込んだ。

試した!
クラシックなどを聴くと、細かな音まで正確に再生されており、精緻な空間表現が感じられる。音づくりはかなり独自。最近のヘッドホンの流行とは正反対で、好みが分かれるかもしれない。大口径のドライバーを採用するだけに、このレベルのヘッドホンの実力を十分に引き出すには、据え置き型の本格的なヘッドホンアンプが必要だ。(AV評論家・折原氏)

一方、JVCケンウッドは17年、ビクターブランドの再定義を行うとともに、ビクターブランドを掲げる独自の音場特性カスタムサービス「WiZMUSIC(ウィズミュージック)90」(実勢価格90万円・税込み)と、「WiZMUSIC30」(同30万円)の提供を開始した。

同社が開発した頭外定位技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を製品化したサービスで、発想は面白い。通常、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴くと、頭の中の狭い領域に音場を結び、スピーカーで聴くような開放感はない。一方のエクソフィールドは、ヘッドホンで聴きながら、あたかも前のスピーカーが鳴っているように聞こえる技術で、それをパッケージで商品化したのがウィズミュージックだ。

試聴
人によって感じ方に違いがあるようだが、体験した記者の場合は高い効果を感じた。耳内音響マイクで個人特性を測定後、サービスで提供されるヘッドホンを着け、測定した個人データを反映したアプリで音楽を再生すると、まるで前方のスピーカーが鳴っているかのようだ。価格がもっと手頃なら面白いサービスだろう。(編集部)

ブランド復活の動きは自動車業界にもある。本田技研工業は、前モデル(9代目)のシビックの国内販売は一部を除いて見合わせていたが、最新の10代目のモデルは改めて国内投入し、再挑戦している。

新型シビックは、初代シビック以来の、人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にという「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」を受け継ぎながら、最新のダウンサイジングターボの考えの下、「ガソリンエンジンながら低燃費で力強い走り」(本田技研工業)のクルマになっているという。

これら老舗ブランドは、その企業や製品が過去から受け継いだ、いわばDNAだ。その上に、現代の技術やサービスを取り入れて、どう仕上げたかがポイントだろう。復活・活性化した老舗ブランドが、消費者の評価を受けるのはこれからだ。

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ2017年10月号の記事を再構成]

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